災害に強い家づくりを考える|浸水災害に備える3つの方法

災害に強い家づくりを考える|浸水災害に備える3つの方法

昨今の自然災害の影響により家に壊滅的な被害を受けることが増えています。今後住宅を建てる際やリフォームをする際には、災害に強い家づくりを優先して住宅計画を立てることが重要になってきます。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

・浸水被害に強い家の特徴は、「ピロティ構造の家」「住宅周りをコンクリート塀で囲む」「玄関には止水板を設置する」の3つ
・止水板の設置にかかる費用は、数十万円程度
・止水板の設置には、補助金が支給される場合がある

台風災害での浸水被害

先日の台風19号では、下記のような浸水被害が報告されています。

・床上浸水:1万9681棟
・床下浸水:1万3832棟


被害に遭われた方には心から追悼の意を表します。浸水被害は、集中豪雨により河川が決壊することが主な原因です。

床上浸水は、住宅の床上まで水が入り込む状態を言います。床下浸水は、住宅のコンクリートの土台(基礎)にまで水が至った状態を言います。河川が氾濫すると、水だけでなく泥や植物・ゴミまでも流されて、それらが住宅内に押し寄せてきます。水が引いた後に残るのは、泥やゴミだらけです。

関連記事:床下浸水後に行うべき3つの対処法|業者に依頼したときの相場とは

大切な家が浸水災害に遭うなんて、被災者の方の心痛は計り知れません。

浸水被害を食い止めるためには災害に強い家づくりが必要

河川が決壊してから浸水被害を食い止めようと慌てて対策をしても多くの場合間に合いません。雨量によっては10分程度で身長を超える高さまで増水します。増水するスピードは思っている以上に早いのです。車の中にいればあっという間に車体を超えた水量になり、水圧により車の窓ガラスやドアを開けるのは非常に困難です。

台風は地震とは違って事前に進路予想ができる自然災害です。できるだけ事前の対策をして、災害に強い家づくりをしておきましょう。

浸水災害に強い家づくり

浸水災害に強い家の3つの特徴

大型台風が直撃する地域は、1階部分はかなりの確率で浸水被害が起こります。報道を見ていると、2階に上がる階段の2~3段目ぐらいまでは水が上がってきている状態が多く見受けられます。1階にはリビングやキッチン・浴室などの水廻り・来客用スペースなどが設けられていることが多く、万が一1階に浸水被害が起こるとその被害は甚大で、多くの家具や家電が使えなくなります。

関連記事:家庭用蓄電池のメリット・デメリット|気になる価格はどれくらい?

1. ピロティ構造の家

浸水災害に強い家づくりをするために、これから新築住宅をご検討中の方には「ピロティ構造」の住宅がおすすめです。
世界中の名建築で採用されている建築形式「ピロティ」って何?

出典:ピロティ|ホームズ

「ピロティ構造」とは、1階部分を柱だけにして駐車場などを作り、2階以上をに居住スペースを造る建築方式のことを言います。昔の日本では高床式住居がありましたが、これと同じような建築方式です。

1-1. 耐震強度に注意

1階部分に居室などがないため耐震性能は劣るとはいえ、建築基準法で定められた耐震基準はクリアしなければいけません。また、大規模地震よりも実際に台風や集中豪雨による浸水災害のほうが多く発生しておりご自宅が被害に遭う確率は高いです。

東日本大震災での津波が起こった時、ピロティ構造の家が倒壊せず津波に強かったというデータもあります。

参照:ピロティ構造内部に設置された小規模構造に左右する津波波力特性|土木学会

2. 住宅周りをコンクリート塀で囲む

過去の巨大台風による浸水時には約2m近くに達する水位が計測されています。浸水災害を食い止めるためには、住宅の周囲を2mほどの高さのコンクリート塀で覆ってしまうのも災害に強い家づくりの一つの方法です。

コンクリートは水に強く水密性の高い建材ですので、万が一河川や下水が氾濫した場合でも浸水を食い止めてくれます。コンクリート塀設置費用の目安は下記の通りです。万が一解体する場合は、解体費用プラス廃材処分費用がかかります。

施工内容 費用目安
コンクリート塀の設置 1万円~1.5万円/㎡
コンクリート基礎工事 0.4万円~1万円/㎡
コンクリートブロック塀解体工事 0.5万円~0.8万円/㎡
廃材処分費用 1万円

コンクリートといえばグレーの地味なイメージですが、色を付けて外観を損なわないように加工した化粧コンクリートもあります。費用はあがりますが、住宅のインテリアに合わせておしゃれなコンクリート塀を造ることができます。

3. 玄関は止水板を設置

出入りの多い玄関にはコンクリート塀の設置はできないため、止水版の設置が有効です。一般的に浸水対策には土のうが推奨されていますが、何キロもある土のうをいくつも設置していくのはかなりの重労働です。氾濫警戒情報が出てから作業をしても間に合わない可能性のほうが高く、土のうの積み上げ作業をしている時に水位がどんどん上昇してくることもあり大変危険です。

止水版は、女性一人でも設置ができるような軽量タイプもどんどん発売されており、これだけの浸水災害が起こっている昨今ますます必要な設備として需要が高まるでしょう。
止水板のことなら合同建設株式会社

出典:止水板|合同建設株式会社

3-1. 止水板の設置方法

止水板の設置は、思っている以上に簡単です。門扉などの両端に止水板をはめ込むための凹型のサイド柱と、止水板を落とし込んではめるための溝がついた下部レールを設置します。

水の侵入を防ぐために止水板は地面より下に設置するので、地面に溝を掘ってサイド柱の下部と下部レールを埋め込むように設置していきます。地面と溝の隙間も丁寧に埋めていきます。

止水板の設置工事内容には【設置工事・ハツリ工事・左官工事・コーキング工事】が必要で、数十万円程度の費用がかかります。止水板本体の費用目安は、約26.8万円~66.9万円です。

3-2. 止水板設置には補助金が支給されます

昨今の浸水災害を軽減するために、自治体が止水板設置の補助金支給を行っています。条件や補助金の額は各自治体によって異なりますが、例えば仙台の場合は下記の通りです。

項目 内容
補助金交付対象者 過去に浸水被害が発生し、現に居住者が住んでいる住宅・マンション等(これらに付属する駐車場を含む)を所有している方
補助対象施設 止水板等の設置及びその設置に伴う関連工事を対象
補助金額 止水板等の設置工事費総額の2分の1とし、50万円を限度とする
手続きの注意点 工事実施前に申請すること

参照:止水板等設置工事費補助制度|仙台市

災害に強い家づくり|浸水災害に備える3つの方法まとめ

自然災害は人間の手では完全に食い止めることは不可能ですが、災害に強い家づくりをすることは可能です。河川や海沿いに住んでいる方は特に、補助金を上手に活用しながら止水板の設置やコンクリート塀の設置をして、浸水災害に備えた家づくりで家族の命と家財を守りましょう!

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執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。