窓断熱の種類とそれぞれの効果を比較|窓断熱リフォームにかかる費用は?

窓断熱の種類とそれぞれの効果を比較|窓断熱リフォームにかかる費用は?

昨今は省エネ意識の高まりにより、断熱に注目が集まっています。断熱には窓の断熱が効果的で、窓断熱にはさまざまな方法があります。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

・住宅のなかで最も断熱が弱いところが窓
・代表的な窓断熱の方法は、「窓断熱スプレー」「窓断熱シート」「窓断熱コーティング」「窓断熱フィルム」「断熱ガラス」「二重窓」の6つ
・窓断熱スプレーや窓断熱シートは初心者でも手軽に導入できる一方、業者に依頼するような断熱方法に比べると、断熱効果が圧倒的に低いため注意が必要

住宅設備の中で最も断熱が弱いのは窓

断熱材の伝わり方

基本的に住宅の壁などには断熱材が入っているので、熱が伝わりにくくなっています。しかし、住宅にも断熱が弱いところがあります。それが窓です。

では、窓の断熱はどれくらい弱いのでしょうか?下記では、(社)日本建材産業協会が平成4年省エネ基準で建てた住宅モデルにおける例の調査結果を紹介します。

夏場に窓から入ってくる熱の割合

夏場に窓から入ってくる熱の割合

夏に冷房の効いた室内から外の熱が入ってくる割合は、何と窓が71%もあります。次いで、外壁が13%、屋根が9%、換気が5%、床が2%となります。

室内から熱が外に移動する割合

冬に暖房の効いた室内から熱が外に移動する割合は、窓が48%です。次いで、外壁が19%、換気が17%、床が10%、屋根が6%となります。

つまり窓を断熱することが、最も効果的なのです。この結果を知ると、窓を断熱しないと「もったいない」ですよね。では、窓を断熱する方法はどのようなものがあるのでしょうか?

監修者コメント
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夏の暑さ対策は日射を防ぐこと

窓の断熱性能を上げることは、冬の寒さ・夏の暑さをしのぐためにとても役立ちます。しかし夏の暑さを防ぐには、断熱性能だけでなく、日射のコントロールも重要になります。夏場は直射日光によって熱が侵入してしまうため、日射が窓から入らないよう、外部でブロックするのが有効です。よしずやグリーンカーテンもいいですし、ルーバー式のシャッターや雨戸も人気です。断熱対策に加え、日射対策も考えてみませんか?

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

窓断熱種類別の方法と費用

窓断熱の方法

窓断熱には、窓のガラス面に断熱スプレーを吹きかける断熱方法から、窓枠から取り替えてしまう窓断熱リフォームまで様々な種類や方法があります。ここでは、代表的な窓断熱の方法をみてみましょう。

窓断熱スプレー

窓に吹き付けて拭くことで、窓にシリコンコーティングして断熱します。最もお手軽で価格も安い断熱方法です。
 

効果持続 断熱スプレー参考価格 断熱スプレーによる断熱費用
1ヵ月程度 2,000円/400ml(52m2分) 1回/200円(窓サイズ幅170cm×高さ180cm)


断熱効果(メーカー公表)】
・ガラス面温度4.3度ダウン
・熱流28%ダウン

消費者口コミ(物販サイト参照)】
「スプレー前と後で温度を測ったが変化なし。効果実感できず。」
「スプレーしても誰も効果に気づかなかった。」
「冷房の効きがよくなったような気がする。」
「安いし、涼しくなったので良かった。」

窓断熱シート

窓断熱シートを貼る手窓断熱シート(※画像はイメージです。)

ポリエチレンシートのフィルムをガラス面に貼り、シート自体の効果とガラスシートの間にできる空気層で断熱する方法です。断熱フィルムの多くが水で貼れるので、自分で貼れて比較的お手軽な断熱方法といえます。

耐久年数 断熱フィルム参考価格 断熱シートによる断熱費用
約1年(メーカーが1年を目安に張替えを推奨 1,500円/(90×160cm/1枚) 1回/3,000円(窓サイズ幅170cm×高さ180cm)


断熱効果(メーカー公表)】
・紫外線99%カット
・冷暖房効率アップ
・冬場1シーズンで137.4KgのCo2削減
・冬場1シーズンで6,621円の灯油代削減

消費者口コミ(物販サイト参照)】
「断熱性は高いと実感できた。」
「電気使用量が前年で平均15%以上削減できました。」
「外の景色が見えなくなり、部屋も暗くなってしまった。」

窓断熱コーティング

窓にガラス専用の断熱コーティング材(塗料など)を塗って乾燥させる断熱方法です。コーティング材にUV吸収剤や赤外線吸収剤が含まれるものや、金属皮膜を液体化したものなどがあります。コーティング後、乾燥すると塗膜は硬くなりガラスとの密着性が非常に高くなります。施工には資格が必要なため、業者への依頼が必須です。

耐久年数 断熱コーティング参考価格 断熱コーティングによる断熱費用
10年以上 15,000円/m2 45,900円(窓サイズ幅170cm×高さ180cm)※施工費含む


断熱効果(メーカー公表)】
・赤外線90%以上カット
・紫外線99%以上カット
・可視光線透過率75%

窓断熱フィルム

窓断熱フィルムを貼る人窓断熱フィルム(※画像はイメージです。)

シートと同じガラス面に貼る断熱方法ですが、フィルムの断熱性能が非常に高いという特徴があります。また、高い断熱効果とともに高い透明性も確保でき、ガラス飛散防止にも効果があります。施工は業者への依頼が必要です。
 

耐久年数 断熱フィルム参考価格 断熱フィルムによる断熱費用
約10年 16,000円/m2 48,960円(窓サイズ幅170cm×高さ180cm)※施工費含む


断熱効果(メーカー公表)】
・赤外線90%以上カット
・紫外線99%以上カット
・ガラス面温度5.4度ダウン

消費者口コミ(メーカー公表)】
「日が入り暑かった。フィルムを貼って暑く感じなくなった。」
「日中・夕方の日差しが和らいだ。」
「想像していた以上にフィルムを貼ったあとの視界がクリアで気に入った。」

断熱ガラス

断熱ガラス断熱ガラス(※画像はイメージです。)

サッシはそのままで複層ガラスに交換する方法です。交換するガラスによって、断熱効果や費用も変動します。断熱効果の高い代表的なガラスは以下の通りです。

・複層ガラス:2枚のガラスで空気層をつくり断熱効果を高めたもの。
・遮熱複層ガラス:2枚ガラスの室外側に特殊金属膜をコーティングしたガラス(Low-Eガラス)を使用したもの。

  断熱ガラス参考価格 断熱フィルムによる断熱費用
複層ガラス 21,000円/m2(ガラスのみ) 79,260円
遮熱複層ガラス 30,000円/m2(ガラスのみ) 106,800円

窓サイズ幅170cm×高さ180cmの場合 ※施工費含む

断熱効果
・複層ガラス:熱量透過率48%ダウン(遮熱複層ガラス)
・遮熱複層ガラス:熱量透過率58%ダウン(遮熱複層ガラス)

二重窓

二重窓二重窓(※画像はイメージです。)

既存の窓の室内側に、新たに内窓を設置する断熱方法です。既存窓と内窓の間に隙間(空気層)ができるので、断熱効果は高く防音効果も高まります。内窓のガラスを複層ガラスや断熱ガラスにすることで更に断熱効果を高めることができます。

  二重窓による断熱費用
単板ガラス 79,600円
複層ガラス 96,400円
遮熱複層ガラス 108,300円


断熱効果(メーカー公表)】
・紫外線40〜81%カット
・日差しを最大60%カット
窓サイズ幅170cm高さ180cmの場合 ※施工費含む

窓断熱の効果と費用を比較

グラフ

窓断熱の効果と費用は比例します。やはりお手軽な窓断熱スプレーや窓断熱シートは、業者に依頼するような断熱方法に比べると、断熱効果は圧倒的に低いものです。

監修者コメント
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コストパフォーマンスの良い二重窓

窓の断熱対策はいろいろと種類がありますが、費用を抑えるほうばかりに目がいって、結果的にあまり効果が感じられなかった…となっては残念ですよね。せっかくですから、多少の費用を掛けてでも、しっかりと効果のあるものを設置したいものです。その点、二重窓は費用対効果が高く、補助金なども上手に活用できればコストもより抑えることもできます。この機会にぜひ、窓をしっかり断熱対策し、快適なお部屋にチェンジしてみませんか?

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

ケース別おすすめの窓断熱方法

ここからは、ケース別のおすすめの窓断熱方法を紹介します。

とにかく安く窓断熱をしたい方

断熱フィルムがおすすめです。ホームセンターやネットで断熱フィルムを購入して、自分で貼りましょう。

今あるガラスをそのままに窓断熱をしたい方

断熱コーティングがおすすめです。コーティングは様々な窓に対応できて、コーティング面とガラス面の密着度も非常に高いのではがれることはありません。一般的な家庭の場合は、施工は1日で終了します。

しっかりと窓断熱をしたい方

二重窓がおすすめです。窓が二重になることでの空気層は、断熱には非常に効果的です。また、防音効果も非常に高いので、リビングや寝室などの窓断熱に特に適しています。

お得に自宅の窓断熱を行うには

窓断熱にかかる費用見積もりを依頼する際は、一括見積りが便利です。依頼内容を入力すると業者から連絡が来て、訪問見積りや電話見積もりをしてもらえます。業者によって独自のサービスや技術があるので、希望に合う業者を比較検討しましょう。

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

【保有資格】

【所属】

noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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編集責任者

家仲間コム編集部

プロフィール


利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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