トイレタンク内で水漏れが起きやすい場所|部品が劣化する原因は?

 トイレタンク内で水漏れが起きやすい場所|部品が劣化する原因は?

トイレの水を流したあとも、トイレタンク内で水が流れ続けていることがありませんか?チョロチョロ・ポタポタと水が流れる音が止まらない場合、トイレタンク内で水漏れが起こっている可能性があります。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

「いつまでもチョロチョロと水が流れ続ける音がしている」「ポタポタと水の音がする」「水道代が高くなった」などの症状が発生している場合は、トイレタンク内に水漏れが起こっている可能性がある
・トイレ内で水漏れが起きやすい場所は、「トイレタンクのふた」「手洗い金具」「ボールタップ」「水位調節リング」「オーバーフロー管」「鎖」「フロートバルブ」の7つ
酸性やアルカリ性の洗剤を使っている場合や、トイレタンクや手洗い部分に芳香剤や洗浄製品を入れている場合は、トイレタンク内の部品が劣化しやすいため、注意が必要

トイレタンク内に水漏れが起こっている兆候

 トイレタンク内に水漏れが起こっている兆候

トイレの水を流した後の数秒はチョロチョロと水が流れますが、やがて止まって音がしなくなります。ですが、上記のような症状が起きていたらトイレタンク内に水漏れが起こっている兆候と考えられます。

トイレタンク内で水漏れが起こっている場合は、だいたい水が流れる音がするのですぐにわかりますが、ほんの少量の水漏れの場合は音を聞き逃していることもあります。水漏れが起こっていると必ず水道代が高くなりますので、毎月の水道代が高くなったなと思ったら、どこから水漏れが起きているのか発生源を突き止めなくてはいけません。

トイレタンク内で水漏れが起きやすい場所

 トイレタンク内で水漏れが起きやすい場所

トイレタンク内は数種類の部品で構成されており、主に水漏れが起こるのは上記の部分です。それぞれの場所はTOTOさんの図をご参考になさってください。



出典:トイレのしくみ|TOTO

トイレタンク内の水漏れは、基本的に劣化が起こっている部品の交換で直ることが多いですが、耐用年数の10年を超えている場合は次々に不具合が発生しますので、トイレ本体の交換をしておくほうが安心です。

水漏れの修理をする際は、最初に必ず「止水栓」を止めてください。止水栓を開けたまま作業をするともっと水漏れがひどくなる恐れがあり、漏水の原因となります。また、トイレタンク内の水漏れが起こった場合は、DIYでは行わずできるだけ専門の業者さんに依頼したほうが安心です。作業に失敗して漏水事故を起こしている事例も多くありますので、十分お気を付けください。

1. トイレタンクのふた

 トイレ トイレの蓋(※画像はイメージです)

トイレタンクのふたはタンクにかぶせてあるだけで、隙間があります。この隙間から水漏れが起こっている場合は、「手洗い金具」につながるホースの劣化が考えられます。

2. 手洗い金具

手洗い金具は、トイレタンク内のホースで手洗い部分とつながっています。手洗い金具から水漏れが起こる場合は、この接続部分のホースの劣化やトイレタンクのふたを開けた際のホースのズレが考えられます。

3. ボールタップ

ボールタップは、トイレタンク内の「浮き玉」という部品と給水栓とをつないでいる部品です。浮き玉が上がったり下がったりすることで水位を調節していますが、ボールタップのバルブに劣化があると正常に動作しなくなり、水漏れが起こる可能性があります。

4. 水位調節リング

水位調節リングはボールタップに接続されている部品で、リングの締め具合によって水位の調節ができる仕組みです。経年と共に水位調節リングの締まりが緩んでいる場合がありますので、適切な位置に締め直します。一般的な調節の仕方は下記です。

・右に回す:水位が上がる
・左に回す:水位が下がる

5. オーバーフロー管

オーバーフロー管はトイレタンク内の底から上部まで伸びている管のことで、万が一オーバーフロー管よりも上の水位になってしまった場合でも水が漏れないようにするための部品です。トイレタンク内にゴミなどが混入していると、このオーバーフロー管が詰まることがあります。その場合はゴミを取り除きましょう。また、トイレタンク内を触った時などにオーバーフロー管が破損してしまうことがあります。ひび割れや穴が開いていると正常に動作しないため、水漏れが起こることがあります。

6. 鎖(チェーン)

鎖(チェーン)は、トイレタンクのレバーや底にあるゴム玉とつながっている部品です。鎖には下記の症状がよく起こります。

・絡まる
・サビつく
・切れる


鎖が絡まっている場合はほどくと元に戻ることがありますが、サビたり切れていたりする場合は新しいものと交換します。

7. フロートバルブ

 トイレタンク内のフロートバルブ トイレタンク内のフロートバルブ(※画像はイメージです)

フロートバルブはトイレタンク内の底にあるゴム製の部品で、排水弁の役割があります。素材がゴムなので劣化しやすい部品です。特にトイレタンクに置くだけの洗剤や芳香剤によって劣化が早まりますので、使用の際は要注意です。

監修者コメント
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消耗部品を交換すれば、丈夫で長持ち

陶器は割れない限り大変丈夫で、長持ちする素材です。そんな陶器でできたトイレですが、陶器製なのは便器とタンクだけで、接続部分や内部の細かい部品には樹脂やゴムなどが使われています。これらの部品は陶器に比べて劣化も早く、摩耗や変形も生じるため、定期的に交換が必要です。ご自身で交換できる部品も多くあるため、トイレを長持ちさせるためにも、ぜひDIYにチャレンジされてみてはいかがでしょうか。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

トイレタンク内の部品が劣化する原因

トイレタンク内の部品の耐用年数は約10年が目安で、使用頻度やお手入れ方法によって劣化が早まることがあります。下記のような使い方やお手入れをしていないか、心当たりはありませんか?

・酸性やアルカリ性の洗剤を使っている
(例:クエン酸、お酢、重曹、セスキ炭酸ソーダ、アルカリウォッシュ、オキシクリーンなど)
・トイレタンクや手洗い部分に芳香剤や洗浄製品を入れている
(例:置くだけ芳香剤、トイレタンク洗浄剤など)

上記のような製品やお手入れ方法は多くのご家庭で普及していますが、実は「使わないでください」という注意書きがトイレタンクやトイレのふたなどに貼られています。ご家庭のトイレタンクや本体などに注意書きのシールが貼られていたら、よく読んで誤ったお手入れをしないよう注意しましょう。

関連記事:トイレ掃除が楽になる簡単3ステップ|1回たったの10秒から3分で終わらせるポイント

1. 酸性やアルカリ性の強い洗剤はNG

特に注意しておきたいのが、ナチュラルクリーニングで人気の「重曹」や「クエン酸」などの酸性およびアルカリ性洗剤を使用したお掃除方法です。「トイレタンク内に洗剤を入れて一晩漬け置きするだけ!」というお掃除方法をよく聞きますが、実はトイレタンク内の部品は酸性やアルカリ性に弱いため、劣化が早まる可能性があります。

2. 芳香剤や洗浄製品はNG

「トイレタンクの手洗い部分に置くだけ」「トイレタンク内に入れるだけ」という芳香剤や洗浄製品なども多く販売されていますが、実はトイレタンク内の部品の劣化につながります。最近のトイレは、表面に汚れがつきにくい「防汚加工」や、汚れが落ちやすいコーティングを施しているため、上記のような芳香剤や洗浄製品を使用することでこのコーティングの効果が薄れていきます。

トイレタンク本体を交換するには?

トイレタンク内の水漏れが頻繁に起きていたら、トイレタンク本体を交換しましょう。トイレには下記の3つの種類があります。

・トイレタンクと便器が別々になった「組み合わせタイプ」
・トイレタンクと便器が一体になった「一体型タイプ」
・トイレタンクのない「タンクレスタイプ」


これらのうち、トイレタンクのみ交換できるのは「組み合わせタイプ」です。

・トイレタンクのみの交換にかかる費用目安:約10万円~13万円

トイレの使用年数は10年を超えていたら、トイレタンク以外の部分にも劣化が見られるようになりますのでトイレ全体の交換をご検討ください。

関連記事:タンクレストイレは壁排水トイレにも対応可能|リフォームの方法とは

・トイレ本体の交換にかかる費用目安:約20万円~50万円

監修者コメント
監修者画像

節水トイレに交換して、お財布にも優しく

しっかりと消耗部品をお手入れしていけば長く使えるトイレですが、もしかしたら、新しく交換したら水道代が大幅に安くなるかもしれません。というのも、最近のトイレは省エネ性能が目覚ましく進歩しており、流す水の量が1/3ほどになるものもあるからです。水道代は年々値上げの一途をたどっていますし、トイレは毎日頻繁に水を流す場所ですから、交換を検討してみる価値はあるかもしれません。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

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トイレタンク内に水漏れが起こったら、水漏れ修理の専門業者に依頼したほうが安心です。プロの専門業者であれば水漏れの原因も素早く特定してくれますし、トイレタンク本体の交換をしたい場合でも業者さんによって大幅割引をしてくれることもありお得に交換ができます。

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

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noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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家仲間コム編集部

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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