バリアフリー工事の内容を考える|室内の転倒事故を防ぐポイントと補助制度
お年寄りに多い室内での転倒事故。年をとってくると筋肉が衰えてささいなことでも転倒事故に繋がります。これらを防止するためには、バリアフリーリフォームが効果的です。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・室内での転倒事故を減らすためにはバリアフリー工事が有効
・転倒を防ぐバリアフリーリフォームの種類は5つ
・バリアフリーリフォームの補助制度を利用するとリフォームがお得になる
目次 [ 非表示 ]
年齢と共に足の筋肉は衰えやすくなる
老化は足から始まる、といわれるように足を使わないと、加齢に伴って確実に筋力が衰えていきます。足の筋力は20才代をピークにして年1%ずつ落ちるという専門家もいます。その衰えのスピードは上半身よりも早く、20才台の足の筋力を100%とした場合、40代才台で70%前後、60才台で52%まで下落するとのことです。
高齢者に多い転倒事故
内閣府の調査によると、年齢が高い程転倒事故の割合が高く、自宅で転倒した人の内90%以上が70歳以上となっています。また転倒した場所別に見てみると、庭が一番多く、次いで玄関、居間、となっています。
転倒した人のその後の日常生活への影響を見てみると「特に影響がない」と回答する人が70%です。一方、影響があったと回答した人の内容を見ると、「買い物や仕事などで長時間出歩いたりすることができなくなった」が13.1%と最も高く、次いで、「自宅内での移動に支障が出るようになった」が10.7%、「炊事・洗濯などの家事に支障が出るようになった」が9.0%、「スポーツや運動ができなくなった」が8.2%の順となっています。
高齢者の場合はちょっとした転倒も大きな影響に繋がりやすいので注意が必要です。
転倒事故をなくすにはバリアフリーを考えよう
室内での転倒事故を減らすためには、バリアフリーが有効です。工事が必要になるものから、少しの工夫でも改善できること等ご紹介していきます。
1. 段差をなくす
足が衰えてくると歩く時に足が持ち上がっていないことが多いです。その為大きな段差よりも、小さな段差など小さな差でも躓きやすくなっていきます。
部屋の中のちょっとした高低差をなくすだけで、危険を大きく解消することができます。家の中の小さな段差は大掛かりな工事をしなくてもスロープの設置(2,000円程)で解消することができます。室内の段差のある場所に設置することで高齢者の方の躓きを防止することができます。
2. 手すりを付ける
手すりのような支えになるものがあると移動が楽になります。階段や浴室等、躓きやすい所につけると効果的です。
手すりは使用されている材料や長さによって値段が異なります。設置する際に下地が必要な場合でも1mあたり1~3万円程度が相場となります。例えば階段に取りつける場合は長さが必要になってくるので、10万円が目安になってくるでしょう。
手すりの設置は他のバリアフリー工事と比べても比較的安価な上効果が高いので、家仲間コムでも希望される方が多い工事です。
3. 家具の角にクッション材を付ける
転倒した際に、体をぶつけて怪我をしてしまわないように家具の角やとがった部分にクッション材を付けておくと良いでしょう。
4. 足元灯の設置
暗い中足元が見えずに躓いてしまうケースもあります。足元が良く見えるようにテラスライトを付けておくと事故の防止に繋がります。コンセントに差し込む形式のものや、置くタイプ、コンセントと一体型のタイプ等があります。タイプによって値段が異なりますが、概ね1000円~6000円程度となります。
5. 床にものを置かない
床にものが散らばっている状態だと、引っかかったり避けようとしてバランスを崩したりしてしまいます。極力床にはものを置かないようにして、歩きやすさを保ちましょう。
バリアフリーリフォームの補助制度を利用しよう
バリアフリー工事には、補助金や税金の控除がなされる場合があります。リフォームはまとまった出費になりがちですが、これらの制度を利用して負担を減らすことができます。
1.市区町村のバリアフリー支援制度
お住まいの市区町村の補助制度は一般社団法人リフォーム推進協議会のHPで確認することができます。都道府県、市区町村毎にリフォームの内容を絞って検索することができるので便利です。
参照:一般社団法人リフォーム推進協議会 支援制度検索
2.バリアフリーリフォームの減税制度
対象となる工事を行うと1年間、所得税額控除が行われる制度です。
【対象となる工事】
1.次のいずれかに該当するバリアフリー改修工事であること
・通路等の拡張
・階段のこう配の緩和
・浴室改良
・便所改良
・手すりの取り付け
・段差の解消
・出入り口の戸の改良
・滑りにくい床材料の取り換え
2.バリアフリー改修の標準的な工事費用相当額から補助金等を控除した額が50万円以上であること
3.居住部分の工事費が改修工事全体の費用の1/2以上であること
【控除額】
控除額=(1)(2)のいずれか少ない方×10%
(1)国土交通省が定めるバリアフリー改修の標準的な工事費用相当額-補助金等
(2)200万円
【控除期間】
1年(改修後、居住を開始した年分のみ)
バリアフリー工事の無料見積もりが可能
バリアフリー工事をご検討の方は、まず見積もりを依頼しましょう。でも、バリアフリー工事に対応している業者さんを探すのは意外と大変です。
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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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