トイレのバリアフリーリフォームを考える|手すりの設置方法とポイント

トイレのバリアフリーリフォームを考える|手すりの設置方法とポイント

高齢化社会と言われている現在の日本。約20年後には、人口の3人に1人が高齢者になると言われています。もはや他人事ではない高齢化社会ですが、人としての尊厳を守るため、また筋力を衰えさせないためにも、できるだけ自力で動けるような配慮をしたバリアフリー住宅について考えてみましょう。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

高齢者は、体を動かさなくなると、筋力が低下して寝たきりになってしまうこともあるため、筋力維持のためにも、トイレの手すりを設置して自力で動ける工夫をすることが大切
手すりの種類としてはI型、L型、跳ね上げ手すり、前方アームレストなどの種類が存在する
・トイレの手すりの取り付けの費用相場は、およそ8,000円ほど

バリアフリーリフォームとは

『バリアフリー』とは、直訳すると「障害・障壁のない」という意味で、高齢者や身体障害者が不便を感じず生活できるようにするため、障壁となるものを取り除き生活しやすくするという意味を指しています。特にトイレは、立ったり座ったりする動作が多く、また、滑りやすい、狭い、など高齢者や身体障害者にとって、とても苦労する空間でもあります。

トイレの手すりを設置して自力で動ける工夫をすることで、1人での排便が出来るようになる方も多くいます。

監修者コメント
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できる限り「自力」が叶うトイレをつくろう

身体機能が衰えてくれば、他人の介助が必要になってくるのも仕方のないことかもしれません。介助してくれる人がいるのはありがたいことですし、そうして支え合える社会は素晴らしいですね。しかし、もし環境を整えることで「自力」が叶うなら、できるかぎり自分の意思で動きたいですよね。特に排泄は、介助の中でもお互いに気を使うところです。今のうちからトイレの環境を整え、将来に備えておけると安心ですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

トイレでの転倒防止策

高齢者施設168社に行ったアンケートによると、トイレの転倒防止策として有効な設備として、手すりの設置に関する内容が多いことがわかります。(複数回答含む)

歩行が困難になっても、手すりがあれば、つかまって立ち上がったり、伝え歩きをして自分で用が足せる高齢者も多くいます。体を動かさなくなると、筋力が低下して寝たきりになってしまうこともありますので、筋力維持のためにも、トイレの手すりを設置して自力で動ける工夫をすることが大切です。

手すりの種類

一般的に手すりの種類としてはI型、L型、跳ね上げ手すり、前方アームレストなどの種類があります。

I型 約"2,000円~"
床面に対して垂直に設置するタイプの手すり。立ち止まってドアを開け閉めしたり、比較的大きな段差を超えるときなど、主に姿勢安定の目的として使われる。

L型 約"3,370円~"
水平手すりと縦型手すりがひとつになったタイプ。「立ち上がり動作」を行うところでよく使われる。しっかり握って使うので、握りやすいもの滑りにくいもの、冷たくならない材質を選ぶこと。

跳ね上げ手すり 約"33,000円~"
便器脇に取り付けるタイプの手すり。アームが可動するのでスムーズな移動ができる。車椅子で利用する際は、前方、斜前方、斜後方よりアプローチが可能。介助時のスペース確保に便利。

前方アームレスト 約"41,000円~"
トイレでの前方姿勢をサポートするアームレスト。使わない時ははね上げて壁側にたためるので、排泄時の姿勢が安定する。

波型手すり 約"13,000円~"
くねくね波型に曲がった手すり。立ち上がったり、身体を引き寄せたり、踏ん張ったりする時、その人の握りやすい角度を選べるようにするため、波型になっている。

トイレの手すりの位置の決め方

たて手すり部分
便器の先端から200~300ミリ程度前方

横手すり部分
便座より230~300ミリ程度上。立ち上がった姿勢で体の前方に手すりがくるような位置に取り付ける。体の重心移動を利用して立てるので、便器から手すりが遠くなるほど立ちやすい。

トイレの手すりの位置を決める際の注意点

1.利用者不在で決めない
入院中の場合は、できるだけ退院後か、いったん外出許可をもらうなどをして、利用者本人が確認できるよう配慮しましょう。

2.見本の手すりを使って確認
見積り訪問の際は、見本の手すりを使って位置を確認しましょう。

トイレの手すりの取り付け方法

トイレの手すりの取り付け方法

1.工具を用意する
・電動ドライバー
・棒にあける下穴用キリ
 (2.5mm程度)
・のこぎり(刃の細かいもの)
・メジャー
・手すり材料(棒と金具)
・下地探し器具

2.手すりの取り付け位置を決める
上記の手すりの位置の決め方参照

3.柱の位置を探す
手すりは柱、間柱に取り付けます。(12ミリ厚以上の合板でもOK) (石こうボード壁の場合)

トイレの手すりの取り付けはDIYでも可能?

トイレの手すりの取り付けはDIYでも可能ですが、体重を支える手すりは、下地が頑丈であるか、または補強をして、体重を支えられるほどの強度が必要になります。素人工事で強度の弱い手すりを取り付けてしまった場合、手すりが取れたり折れるなどの二次災害も起こりえます。やはり、専門の業者に取り付けてもらうほうが安全の面からも安心です。

監修者コメント
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手すりの設置位置は、プロに相談しよう

手すりを実際に取り付ける際には、高さや必要な場所は、使う人の体格や疾患などの状況によって異なってきます。また、設置にはもともとある柱などに固定できる場合もあれば、壁を剥がして新たに下地を入れなければならない場合もあります。ケアマネージャーさんや工事業者さんと丁寧に話し合いを行い、ご自身の身体状況などをしっかりと伝えて、ベストな設置場所を考えていきたいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

トイレの手すりの取り付けの費用相場

トイレの手すりの取り付けを業者に依頼する場合の費用相場は、工賃+交通費などの諸経費でおおよそ"8,000円~"となっています。下地の補強や、取り付け材料が追加になる場合は費用も別途発生します。

介護保険を使ってお得にバリアフリーリフォーム

介護保険が利用できる住宅改修の内容

介護が必要となった場合のバリアフリー工事は、介護保険により一生涯で20万円まで、その費用の9割が支給されます。要件など詳しくは事前にケアマネージャーに確認しましょう。

参照:介護保険における住宅改修

各自治体によって異なるため、お住まいの自治体に確認しましょう。

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

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家仲間コム編集部

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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