屋根材のひとつ「コロニアル屋根」の特徴やメンテナンスについて

屋根

屋根材にはいくつか種類がありますが「コロニアル屋根」という屋根材を聞いたことがありますか?
コロニアル屋根は近代住宅で高い普及率を誇る屋根材で「スレート屋根」とも呼ばれています。
今回はコロニアル屋根のメリット・デメリットやメンテナンスにかかる費用などを解説します。

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屋根材の3割は「コロニアル屋根」

「コロニアル屋根」は、材質そのものではなく実は商品名称で、ケイミュー株式会社(旧:クボタ松下電工外装株式会社)が1961年に発売したスレート屋根のことを言います。

「コロニアル屋根」という商品の材質は「スレート」です。
同じく「カラーベスト屋根」もケイミュー株式会社が発売している屋根の商品名です。

屋根材の商品名材質
コロニアル屋根スレート
カラーベスト屋根スレート

新築住宅に採用される屋根材の中でコロニアル屋根は約30%を占めており、同じく屋根材として人気が高いガルバリウム屋根と人気を二分しています。
参照:ガルバリウム鋼板の屋根が人気の理由を解説します!軽くて丈夫!でも価格は?

コロニアル屋根(スレート屋根材)の特徴

スレート屋根材には「化粧スレート」と「天然スレート」の2種類がありますが、コロニアル屋根は「化粧スレート」を屋根材として使用したものです。

化粧スレートは、瓦・セメント・粘土などと繊維質を混ぜ合わせて薄く板状に加工して作られます。

屋根材のメンテナンス

この繊維質として昔はアスベスト(石綿)が使われていたため、古い住宅でコロニアル屋根を使用している住宅の多くはアスベストが含有されている可能性が高いです。
使用されている量は少ないので人体に影響が出るレベルではなく、心配ありません。

2006年(平成18年)に建築基準法にて「アスベスト(石綿)の使用規制」が制定されましたが、それ以前のスレート屋根では繊維質の代わりにアスベストが使用されている可能性もありますので、該当する住宅の屋根リフォームや解体の際には注意が必要です。
参照:建築基準法による石綿規制の概要|国土交通省

アスベストの調査費用や解体については下記記事をご参照ください。

コロニアル屋根のメリット

コロニアル屋根のメリットには下記の3点が挙げられます。

・価格が安い
・カラー・デザインのバリエーションが豊富
・耐震性に優れる

1. 価格が安い

屋根材として人気のガルバリウム銅板・日本瓦と比較した場合、コロニアル屋根は価格が比較的安価です。

屋根材単価目安(1㎡あたり)耐用年数
コロニアル屋根4,500円~8,000円20年~30年
ガルバリム鋼板6,000円~8,000円25年~30年
瓦屋根(日本瓦)8,000円~10,000円50年~

コロニアル屋根は耐用年数が最も短くメンテナンス周期が短くなるため、ランニングコストがかかることは想定しておかなければいけませんが、新築時にかかる費用が安く抑えられる点が魅力です。

価格が安いということはコロニアル屋根を採用するご家庭も多くなりコロニアル屋根の施工が増えるため、経験豊富な業者が見つけやすい点もメリットです。

2. カラー・デザインのバリエーションが豊富

コロニアル屋根は見た目がスタイリッシュで、カラーバリエーションも豊富なことから、和風・洋風どちらの住宅屋根にも合わせやすい点がメリットです。

メンテナンスの際に色を変えて塗装すればまた新しい印象の住宅を楽しむこともできます。

3. 耐震性に優れる

重い屋根材だと建物の総重量も重く重心が高くなり、地震の揺れを大きく感じます。
軽い屋根材は地震の揺れを軽減できるため耐震性に優れており、地震の多い日本に合った屋根材といえます。

耐震性を考慮して軽量な屋根材に葺き替えされる方も増えています。
参照:
屋根で地震対策も出来ます!屋根の葺き替え工事による地震対策と費用相場
屋根瓦の修理費用目安と実際の施工事例

コロニアル屋根のデメリット

コロニアル屋根のデメリットは下記の2点で、主にコロニアル屋根材の形状による理由が大きいです。

・割れやすい
・苔やカビが生えやすい

1. 割れやすい

コロニアル屋根は約5mmという薄い板状なため、大型台風時に大きなものが飛来してぶつかった場合などに割れたりヒビが入ることがあります。

人が歩いて体重がかかっただけでも割れてしまう恐れがあるため、DIYでご自身でメンテナンス作業をされる際は十分注意が必要です。
コロニアル屋根の材質を熟知して取り扱いに慣れている専門業者に依頼したほうが安心です。

2. 苔やカビが生えやすい

屋根に降る雨

コロニアル屋根の表面はザラザラしているため、水はけが悪いと苔やカビが生えてしまうことがあります。

水はけを良くするために必要なコロニアル屋根の勾配は2.5寸ですので、きちんと計算して葺いてくれる業者に依頼することと、定期的に防水塗装メンテナンスをすることが大切です。
参照:屋根勾配対応表|カナメ

コロニアル屋根のメンテナンス

コロニアル屋根(スレート屋根材)は耐用年数が約20年~30年ですが、メンテナンスは定期的に行う必要があります。
コロニアル屋根より耐用年数の長い屋根材であってもメンテナンスは必要です。

主なメンテナンス内容は下記です。
・部分補修
・再塗装
・全面葺き替え

ケイミュー株式会社のコロニアル屋根のメンテナンス要項には下記のタイミングが記載されています。

メンテナンス内容タイミング目安
部分補修10年~、20年~
再塗装30年~

上記は改良されている新商品のコロニアル屋根の場合のメンテナンス周期です。
すでにコロニアル屋根を採用されている方はもう少しメンテナンス周期が短くなりますので、下記を目安に行うほうがよいでしょう。

メンテナンス内容タイミング目安費用目安
(約80㎡の平均的な住宅で計算)
再塗装10年~25万円~
重ね葺き20年~60万円~
葺き替え30年~80万円~

コロニアル屋根は色あせの症状が出てきますが、屋根材そのものに劣化がなければそのままでも住宅への影響はありませんが、色あせは美観を損ないます。

明らかな色あせが目立つようになったら、住宅の美観向上のためにも再塗装を検討したほうが良いでしょう。

「重ね葺き」は現状のコロニアル屋根の劣化が多く見られた場合に上から新しいコロニアル屋根を重ねていくメンテナンス方法です。

重ね葺きがしやすい点もコロニアル屋根のメリットですが、昔の住宅の場合は先述した通りアスベストが含まれている可能性もありますので、取扱いには注意が必要です。

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屋根塗装メンテナンス

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家仲間コム編集部

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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