施主支給はお得って本当?製品を支給する利点と欠点

施主支給はお得って本当?製品を支給する利点と欠点

施主支給は施主が製品を用意して、新築やリフォームを依頼することです。一般的に施主支給は安くなると思われがちですが、本当にそうでしょうか?施主支給のメリットとデメリットを考えてみましょう。まずはこの記事のポイントを以下にまとめました。

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POINT この記事のポイント

・施主支給とは「製品」と「取り付け」を別々の業者にお願いすること
・施主支給には気をつけておくべきポイントがある
・施主支給しやすい商品としにくい製品に分かれる
・施主支給に対応してくれるかどうか事前に確認しておく

なぜ施主支給を嫌がる業者さんが多いのか?

施主支給が嫌がられる理由

この施主支給ですが、なかなか快く請けてくれる業者さんは少ないようです。なぜでしょうか?施主支給を嫌がる理由は、大きく三つの理由があります。

1. 施主支給は手間がかかる

いつも仕入れている問屋さんやメーカーさん支給のものであれば業者は慣れていて、施工にもある程度融通がきくものです。それが施主支給となると、納品のタイミングなど調整が難しくなります。

2. 施主支給は後の保証や責任問題でもめる可能性がある

施工後に製品にキズや不良などの欠陥が見つかった場合、販売業者の責任か、施工業者の責任なのか明確にできず、トラブルに発展するおそれがあります。

3. 施主支給は商品代の利益がでない

施主支給になると商品代の利益が自社では得られなくなるところも、嫌がられる理由のひとつです。

監修者コメント
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保証対象外になるリスクは辛い

リフォームというのは工事して終わりではなく、その後ずっと使い続けていくものです。となれば、使う間に不具合が起こった場合には、保証期間のアフターサービスを受けることもあるでしょう。しかし施主支給品となると、商品と施工と保証の窓口が2つ存在するため、保証対象外として出張料を請求されたり、どちらにも保証対象外と言われてしまう場合もあります。長い目で見てメリットがあるのかどうか、よく考えていただければと思います。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

通常リフォームと施主支給リフォームの利益配分

利益配分

リフォーム価格は、商品代と施工費の合計です。リフォーム業者さんは、あるリフォームを依頼されると、商品代の利益と施工費の利益の合計がそのリフォームから得られる利益となります。その得られる利益で会社を運営しているのです。

しかし、施主支給ですと、施工手間は変わらないのに商品代の利益がでなくなってしまいます。同じ商品で通常リフォームと施主支給リフォームの場合の価格差は、基本的に商品代の利益の差となります。その商品代利益の差が施主に価格メリットとして反映されるのです。

施主支給の4つのポイント

施主支給のポイントは、主に以下の4つです。

施主支給のポイント1:「価格」

施主支給をお考えの方の多くが、施主支給で価格が安くなることを期待されています。では、施主支給では具体的にどの程度安くなるのでしょうか?

<キッチンリフォームの場合の例>
システムキッチン本体価格:832,650円
システムキッチン施工費用:313,200円

通常リフォームと施主支給

これは、施主支給の場合でも施工費を同じ価格で対応してもらえた場合です。施主支給の場合は、施工費に追加されることがあります。そうすると価格メリットはあまり得ることができなくなります。居酒屋さんなどでお酒を持ち込む場合に、別途持ち込み費がかかるのと同じような感じですね。

施主支給のポイント2:「選択の自由」

システムキッチンや建材など、非常に多くのメーカーから発売されています。また、海外製のものを輸入販売している会社もあります。デザインや使い勝手にこだわり、施主が商品を決めている場合があります。ハウスメーカーや工務店、リフォーム業者さんに製品を指定すると、取扱いできない場合があります。

施主支給は自分で製品を直接購入するので、業者さんの取扱いメーカーに縛られることなく自由に製品を選ぶことができます。

施主支給のポイント3:「手間」

新築やリフォームに使う製品を施工会社さんにまとめてお願いすると、その製品のサイズや仕様、取り付け可能かを調べたり、メーカー(問屋)への発注や納品時期の調整をまとめて行ってくれます。

しかし、施主支給は施主自ら製品について調べたり、納品時期などを調整したりしなくてはなりません。それは、非常に手間がかかりますし、仕様違いなどの問題が発生した場合のリスクもあります。

施主支給のポイント4:「保証」

通常の新築やリフォームなどは後のメンテナンスやクレームなど発生した場合、窓口は依頼した会社に全てお願いできます。例え製品上の問題であっても、その会社がメーカーへ問い合わせてくれたりするのが一般的です。

一方、施主支給の場合は、製品上の問題が発生した場合、自分でメーカーもしくは製品販売会社へ問い合わせる必要があります。メンテナンスやクレームなどの窓口が施主支給の場合は複数になってしまうことは、手間となります。

施主支給しやすい商品としにくい製品とは?

施主支給しやすい製品と施主支給しにくい製品があります。

1. 施主支給しやすい製品

・取り付けが自分でもできるくらい簡単 (例:照明、カーテンなど)
・販売店やメーカー対応がしっかりしている (例:エアコンなど)

2. 施主支給が比較的難しい製品

・施工に大きな工事が必要なもの (例:システムキッチンなど)

監修者コメント
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施主支給はリスクがある

施主支給の大きなメリットとして、コスト削減が謳われますが、本当にそうでしょうか。商品選びの際に「設置できる商品を選ぶ」という作業も、商品代金には含まれています。それを自分でやるなら「設置できない商品を選んでしまう」リスクもありますし、先に書いたようにアフターサービスで思わぬ出費をする可能性もあります。コストを下げるために施主支給にしたはずが、トータルでは逆に高くついてしまうこともあるのです。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

施主支給する際のポイント

施主支給に関しては、対応してくれる業者さんもあれば、対応してくれない業者さんもあります。施主支給で新築やリフォームを考えている場合は、まず施主支給に対応してくれるかどうかを確認しましょう。後になって、見積もりを見ながら「この製品は施主支給します。」などということは避けましょう。

一般的なリフォームの価格と、施主支給リフォームの価格をそれぞれの見積もりをお願いして、比較検討することがよいでしょう。新築やリフォームには、この時の価格だけでは判断できない、「保証」や「メンテナンス」があることを忘れてはいけません。後々のことを含め、トータルで判断するようにしましょう。

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

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noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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家仲間コム編集部

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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