【床下の湿気対策は万全に】恐ろしいトラブル事例と効果的な対策を紹介
住宅内の湿度が高い状態のままでは不快になるだけでなく、健康面にも影響を及ぼします。除湿機を稼働させても換気をしても湿度が高い状態が続く場合は、もしからした床下が原因かもしれません。今回は、床下からの湿気対策について解説していきますが、この記事のポイントは以下のとおりです。
POINT この記事のポイント
・床下に湿気がたまる原因は立地の問題や床下の狭さなど
・床下の湿気は住宅倒壊やシロアリなど害虫の発生引き起こす恐れがある
・床下の湿気対策には防湿シートや床下換気扇の設置などが有効
・防湿シートを敷く費用目安は約10万円~20万円
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床下に湿気がたまる原因
床下に湿気がたまる原因には上記の3つが考えられます。土壌や立地の問題、すでに建てられたあとの住宅構造上の問題が湿気の原因であれば改善するのは難しいですが、のちほど湿気対策の項目で対処法を解説します。
1. 土壌や立地の問題
住宅が建っている立地が昔に沼や水田などの湿地帯であった場合、もともと土に水分が多く含まれているため土壌改良や湿気対策をしていないと、湿度の高い家になります。
こういった土地は大雨などで地盤が緩む危険性があり地盤沈下なども想定されるため住宅を建てる以前に地盤改良をしているはずですが、やはり湿度が高くなりやすいです。また、近隣住宅より低い位置にある家や道路よりも低い位置にある家は雨水などが溜まりやすいので、湿気が高くなる原因となります。
住宅密集地に建てられた住宅では通気性が良くないので、湿気がたまりやすいこともあります。
2. 床下が狭い
現在の建築基準法では床下の高さは「地面からその上の床の上面まで45cm」という基準になっていますが、改定前の建築基準法に基づいて建てられた昔の住宅では、もっと狭い空間になっている場合があります。床下の空間が狭いと通気性が悪くなるため、湿気がこもりやすくなります。
3. 床下の通気口が機能していない
床下には通気性を良くするための通気口が設けられていますが、何か物を置いたりエアコンの室外機があるなど通気口をふさいでいませんか?せっかくの通気口を塞いでしまっては機能しませんので、物を移動させて通気口を機能させるようにしましょう。
床下の湿気が引き起こすトラブル
床下の湿気が引き起こすトラブルで最も怖いのは、住宅基礎の腐食です。他にもシロアリ・寄生虫の発生や健康上のトラブルが考えられるため注意をしましょう。
1. 住宅の倒壊の恐れ
湿気があることによって基礎部分の木材などにカビが発生し、いずれ腐食が始まると、住宅の基礎が弱くなります。床上と床下との温度差により結露も発生しますので、カビが増え腐食した基礎は住宅の倒壊の原因となり、大変危険です。
2. シロアリや害虫が発生する
次に考えられるのはシロアリなどの害虫が発生することです。シロアリなどの害虫は湿度の高い場所を好みますので、床下の基礎部分の木材や柱などに寄生し、基礎部分を食べてしまいます。こちらも住宅の腐食につながりますので放置しておくと大変です。
ご自身でのシロアリ対策はうまくいくことのほうが少なく効果が低いので、生態を知り尽くしているプロの駆除業者に依頼して徹底的に駆除をしてもらうほうが安心です。
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3. 健康上のリスク
湿気が高いと不快指数が高くなるだけでなく、様々な健康被害を引き起こします。湿度が高いと頭痛や体の倦怠感を感じたり、カビが発生している場合にはカビ菌によって喘息やアレルギーを誘発します。
床下の湿気対策3選!
ご自宅の湿度が高い場合に考えられる床下の湿気対策についていくつかの方法をご紹介します。
1. 防湿シートを敷く
出典:強力防湿シート|床材屋
商品価格:13,500円~(1,800mm×50m巻)
防湿シートは、床下の地面の上に防湿効果のあるシートを敷き詰める方法です。材質はポリエチレンやEVA樹脂製で、厚さは約0.1mm~0.2mmのものが採用されることが一般的です。
・防湿シートを敷く費用目安:約10万円~20万円
2. 床下換気扇の設置
出典:床下用換気扇|三菱電機
商品価格:82,300円~
床下換気扇は床下の空気を循環させるので、湿気対策としても有効です。約30坪の住宅の床下の場合、換気扇は2台~4台設置するのが一般的です。電気工事が必要なため電気工事士の有資格者が施工しますので、DIYでの施工はできません。費用目安は約13万円~30万円程度です。
3. 防湿皮膜形成工法を選ぶ
「防湿皮膜形成工法」は最近の床下の湿気対策として注目されている方法で、床下の土壌に「防湿被膜」を噴射して膜を張ってしまうことにより、土壌から上がってくる湿気を遮断します。「土壌皮膜形成工法」とも呼ぶことがあります。
重要文化財を守るためにも採用されている工法で防蟻効果もありますので、シロアリにお悩みの方にも湿気対策と同時に効果が得られます。費用目安は約0.9万円~1.5万円/㎡で、約10坪あたりの施工費用であれば約34万円~が目安です。
工期は10坪程度であれば一日で完了しますが、それ以上広くなると2~3日必要になることもあります。
床下の湿気対策まとめ
床下に湿気がこもりやすい場合は除湿剤などでは追い付かず効果が得にくいので、根本的な対策が必要になります。費用も高額になりますので、信頼できる優良な業者選びが大切です。
床下の状態をご自身で確認するのは難しいので業者に一任してしまうことも多いのですが、その際現状を写真などで丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
また、施工に伴う追加工事やオプションを勧めてくる業者もありますが、必要な理由が明確でない場合は納得いくまで説明してもらうのも悪質業者に引っかからないためには大切です。
どの方法を選ぶかは、しっかりご検討を
床下の防湿対策はいろいろな方法がありますが、かかる費用もその効果も、対策方法によって大きく変わってきます。「どの方法を選ぶか?」と考える時に同じく重視したいのが、依頼先が「その方法に習熟した業者か?」ということです。防湿対策の工事は、施工精度によっても効果が変わるものが多くあります。依頼する際には、説明のわかりやすさや施工実績などを確認し、信頼できる業者を選べるといいですね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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換気扇の故障に注意
床下に換気扇を設置すると、設置後しばらくはカビ臭が周囲に漂うことがあります。これは今までの床下環境が悪く、湿気によって繁殖していたカビや腐朽菌が、換気扇によって外部に排出されるからです。しかしある程度排出されると臭いも徐々に気にならなくなり、床下環境の改善を実感することができます。ここで注意したいのは、換気扇の故障です。換気扇は換気口をふさぐ形で設置されるため、万一止まってしまうと床下の空気が出口を失い、以前よりも環境が悪化してしまうのです。床下換気扇は故障しても気付かれないことが多いので、時々動いているか意識して確認するようにしたいですね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)