中古住宅のリノベーションを考える|メリットとデメリットとは?
編集者:大永 和弘
最終更新日:2022年4月12日
最近は中古住宅を購入して、リノベーションしてする方が増えています。リノベーション費用も住宅ローンに組み入れることができたり、新築よりも割安に購入できることが理由です。当記事で、中古住宅をリノベーションするメリットとデメリットをしっかりと勉強しましょう。後ほど詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・中古住宅をリノベーションするメリットは、「新築住宅に比べ、低価格で購入できる「選択肢が増える」「解体費用、廃材費用がかからない」「建物の中や外の環境を確認できる」など
・中古住宅をリノベーションするデメリットは、「耐震面での不安がある」「修繕費が発生する可能性がある」「ローンを組むための制限がある場合がある」など
・スケルトンリノベーションにかかる費用は、およそ800万円〜1000万円
目次 [ 表示 ]
リノベーションとリフォームの違い
まずは、リノベーションとリフォームの違いについて見ていきましょう。
リノベーションとは
既存建物を大規模に改装し、性能を新築の状態よりも向上させたり価値を高めること。
リフォームとは
老朽化した建物を建設当初の性能に戻す事をいい、壁紙の張り替えやシステムキッチン、ユニットバスの入れ替え程度の比較的小規模な工事を指す。
中古住宅をリノベーションするメリット
低価格で購入できてリノベーションやリフォームに予算をまわせる
中古住宅を選ぶ一番のメリットはなんといっても新築に比べかなり格安で手に入るので、その浮いたお金をリノベーションにかけて自分の理想の家に近づけられる事ではないでしょうか。一般的に中古を購入してリノベーションしても新築を購入した時より20〜30%程安く済む傾向にあります。
中古住宅+リノベーションで探した方が選択肢が増える
希望のエリアで新築で探そうと思ったときに、物件が少なく探すのには苦労する事があるかと思います。その点、中古住宅+リノベーション前提で探すと新築に比べより住みたいエリアに近く、広い物件を探すことができます。
中古住宅の方が購入後の経年劣化による価格下落が緩やか
戸建て、マンションともに住み始めた時から建物の資産価値は下落していきますが、築16年〜20年位から下落が非常に緩やかになります。中古住宅を購入した場合購入後の価格下落が緩やかなので、資産価値の目減りが少ないといえます。
建て替えに比べて解体・廃材費用がかからない
中古住宅を購入して建て替えようと思った時に、解体費用は坪あたり、平均35,000円となっており、さらに廃材費用などを考えた時、家の広さによっては100万円以上になる事もあります。中古住宅+リノベーションではそういったお金がかからないのでその分リノベーションにお金をかける事ができます。
実際に建物の環境を確認できる
日当り、風通し、騒音など実際に住んでみた時の住み心地を事前に確認する事ができます。出来れば何度か足を運んで雨の日や夜の様子なども見ておくとよいでしょう。
築年数が経っているものは耐震面での不安がある
1981年(昭和56年)に耐震基準が大きく改正され新耐震基準が出来ました。旧耐震基準の建物は中地震に耐える様に設計されていましたが、大地震への対応はされていません。購入した中古住宅が現在の耐震基準を満たしていない場合耐震工事をする必要があり、かなりの費用がかかってしまう場合があります。
不安を感じる方は専門家に見てもらうのをおすすめします。
修繕費がかかって新築より費用が高くなることも
中古住宅でチェックしておきたいのが、土台や柱にシロアリ被害は無いか、湿気などによる構造部分の腐食は無いか、基礎の沈下、傾きは無いか、といった構造や地盤の問題です。自分で、または専門の業者に頼んで必ずチェックしておきましょう。
チェックする項目
■基礎…ひび割れが無いか
■外壁…ひび割れが無いか、目地に入った充填材の劣化が無いか
■屋根…屋根材のズレや破損、塗装はがれ、雨樋破損が無いか
■軒裏…雨シミ、ひび割れ、塗装のはがれが無いか
■床下…床下はカラッとしているか
■雨の日に水たまりが酷い部分は無いか、道路や近隣から水が流れ込んできていないか
■虫食いの様な小さな穴や跡が無いか
ローンに制限がかかることも
購入時に建物の価値が低い場合、評価額も低いので担保価値も低く融資額も低くなります。木造建築は築後20年もすると担保価値がほとんど無い状態になります。土地つきの中古住宅を購入した場合は土地にどれだけの価値があるかがポイントとなります。
また、中古住宅はローンの返済期間に制限がある金融機関が多く築後35年をこえる建物は住宅ローンを組むのが難しくなります。
引っ越しまでに時間がかかる
リノベーション物件は引っ越しまでの間に建物検査、設計、施工が行われるので引き渡しまでに時間がかかります。
設計から工事着工までの期間が平均2〜3ヶ月、施工期間が平均1〜2ヶ月と、設計期間を含め平均4〜5ヶ月位かかると思っていた方がいいでしょう。
構造や間取りの大幅な変更が難しい
マンションの場合、共有部分や配管部分などはリフォームができない等制約があることがあり、事前に確認をしておく必要があります。
スケルトンリノベーションにかかる費用は?
スケルトンとは、中古住宅の柱、梁、鉄骨、コンクリートといった構造軀体を残し、ゼロから作りなおす大規模な工事の事をいいます。スケルトンリノベーションにかかる費用の相場はどの程度のものなのでしょうか?
■マンションのリノベーションの価格相場:約800万円
■戸建てのリノベーションの価格相場:約1,000万円
■1㎡の価格相場:10万円〜15万円
マンションの方が戸建てより相場が安くなっているのは、外壁や外構の修繕費用が必要ないということです。
マンションのスケルトンリノベーション 価格の「定額制」システムとは
マンションをスケルトンリノベーションする場合の価格相場は上でご紹介しましたが、価格に幅があり、実際の支払い価格はいくらになるのか?追加で請求されないか?など不安に思う方も多いのではないでしょうか。そんな方の為に、マンションスケルトンリノベーションの「定額制」というシステムもあります。
定額制システムのプランや価格はどうなっているのか
一般的な見積もり方式とは違い、床面積×㎡単位(坪単位)で価格が決まり、オプションを加えなければそれ以上追加請求される事はありません。標準プランにどういったものが付いているのか、価格はいくらなのか、何社かを比較してみました。
定額制の料金は、ほとんどのところで1㎡の金額が広さによって変わっていくようになっており、広ければ広いほど1㎡辺りの金額が下がってお得になります。
また、オプションも充実しており定額で料金を出した後に、余裕があればプラスでオプションを追加していく事もできます。逆に定額の設備の中から削って料金を下げる等もでき、自由度が高いものとなっています。
スケルトンリノベーションの費用目安
ここでは、スケルトンリノベーションの費用目安について紹介します。価格はマンションスケルトン 70㎡のものです。
<A社>
基本価格 1㎡:94,743円×70㎡×消費税= 7,160,400円
含まれるもの
■基礎解体工事+内装工事
■設備(システムキッチン、トイレ、ユニットバス、洗面化粧台、床フローリング材、壁クロス材、建具、スイッチコンセント、給湯器、分電盤など)
■アフターサービス
<B社>
基本価格 1㎡:105,000円×70㎡×消費税=7,938,000円
含まれるもの
■基礎解体工事+内装工事
■設備(キッチン、トイレ、ユニットバス、洗面化粧台、建具、床フローリング材、壁クロス材、建具、クローゼット、収納など)
■アフターサービス
<C社>
基本価格 1㎡:103,250×70㎡×消費税=7,805,700円
含まれるもの
■基礎解体工事+内装工事
■設備(キッチン、トイレ、ユニットバス、洗面化粧台、床フローリング材、壁天井クロス材、造作材、建具、収納、電気設備ほか)
■アフターサービス
中古住宅リノベーションの匿名見積もりが可能
中古住宅のリノベーションをご検討の方は、まず見積もりを依頼しましょう。でも、業者さんを探すのは意外と大変です。
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)
株式会社マッチングジャパン 代表取締役社長。
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
退社後、株式会社マッチングジャパンを2006年に創業し、ハウスメーカーやリフォーム会社のWEBマーケティングを経験。
その他、内装材メーカーや建材メーカーにWEBプロモーションに関わるコンサルティングを提供。
同時にリフォーム業者検索サイト「家仲間コム」の運営責任者として、累計5千社を超える施工業者にサービスを提供。サイト規模は月間アクセス約360万PV、見積利用者数は年間約5万人までに成長。
自身も7度の引越しと2度の住宅購入を経験し、家のリフォームや修繕をユーザーの立場で多く経験。
その経験から、規模が小さくても優良なリフォーム業者を探せるサイトの必要性を強く感じ、サービスの利便性向上に注力している。
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