立水栓工事どこに頼む?|注意点、設置手順、費用 完全ガイド
庭の水やりや洗車、BBQの炊事にも便利な柱状の水道設備「立水栓」。玄関ポーチの脇に設置できれば、家族が家に入る直前に手洗い・うがいができ、ウイルスの感染症対策にもなるため、今、人気のリフォームの一つとなっています。
ただ、立水栓は日頃は馴染みの薄い機器だけに、いざ取り付けを決めても「工事は、どこに頼めばいいの?」と戸惑う方も多いようです。
そこで、今回は、新聞記者歴22年の筆者が、立水栓工事の発注先や業者選びの注意点、設置手順、費用などについて、取材内容を徹底解説します。
ご自宅の立水栓設置費用が気になる方には、複数の地元業者と相見積もりが無料かつ匿名でできるボタンも用意していますので、ぜひ試してみてくださいね。
POINT この記事のポイント
・立水栓工事の発注先は主に「リフォーム業者」と「水道の専門業者」の2種類
・リフォーム業者に依頼するメリットは、庭のデザイン性と機能性の両方がアップする製品の設置が叶うところ
・立水栓新設の場合は「水道局指定業者」に依頼する必要がある
・立水栓工事の費用相場は5万円~15万円
目次 [ 非表示 ]
「立水栓」とは
出典:立水栓ユニット モゼック・モゼックパン|ニッコーエクステリア株式会社
「立水栓」とは、家の庭など屋外に設置される「柱状の水道設備」のことです。別名「外水栓」「水栓柱」ともいわれます。蛇口が柱の上部や途中にあるため、庭の掃除やペットの洗浄、BBQの炊事や手洗いにも使えます。蛇口にホースをつければ、ガーデニング時の水やりや洗車も便利に行えるでしょう。
一方、立水栓と似た設備には「散水栓」があります。「散水栓」は蛇口が地面下に設置された「ボックス」の内部に収納された水道のこと。「立水栓」よりも設置費が安く、スペースもとらないというメリットはありますが、蛇口を使うたびにしゃがまねばならず、不便も多いのがデメリットの一つとなっています。
新築の庭では「散水栓」が標準装備としてつけられ、「立水栓」工事はオプションであることが多いです。このため、後に散水栓を立水栓に改造するご家庭も多いのが現状です。
最も人気が高い散水栓の立水栓交換工事については、記事:【散水栓から立水栓へリフォーム】工事の流れ、ポイント、費用を徹底解説をご参照ください。
立水栓工事の発注先は「リフォーム業者」か「水道業者」
立水栓の新設や交換、修理の発注先は、大まかに2種類。「リフォーム業者」か「水道の専門業者」です。
リフォーム業者に発注するメリットは、ご自宅の庭のデザイン性と機能性の両方がアップする製品の提案・取り寄せ、施工をトータルで任せられるところ。もちろん!自分が気に入った立水栓を購入しておき、取り付けだけを依頼することもできます。
水道の専門業者に発注するメリットは、たとえ水道管や排水管の難工事が伴う場合でも任せられるところでしょう。ただし、製品の提案や取り寄せには対応していない場合があるため、製品はあらかじめ自分で購入しておく必要があるかもしれません。
ちなみに、リフォーム業者には、大小の専門会社から工務店、エクステリア用品専門店などがあります。
最近は、ホームセンターの全国チェーン「カインズ」が「カインズリフォーム」という会社を設立して話題となりましたね。カインズで立水栓と水栓パン(水受け)をセットで設置する場合は標準工事付きで約10万円となるそうです。
参照:カインズのデジタルチラシ
弊社「家仲間コム」には、全国の優良リフォーム業者さんが1400社以上加盟しています。このページのオレンジのボタンをクリックして、相談内容を書き込むと、匿名、完全無料で地元の業者複数社と相見積もりが取れます。適正価格の調査などにもお役立てください。
立水栓工事業者選びの注意点
立水栓の工事業者選びには、特別な注意点があります。
新設時は有資格業者に依頼が必要
立水栓を新設する場合は、設置場所まで、水道管を引いてくる必要があります。
水道管の新設・改造については、水道法で「水道局指定業者が行わなければならない」と定められています。この水道局指定業者に欠かせない国家資格が「給水装置工事主任技術者」です。
立水栓の新設工事についてはDIYが不可!工事を依頼する際には、業者に資格があるのかを確認しましょう。
交換や修理なら技術と実績があればOK
自治体の「水道条例」にもよりますが、立水栓工事は交換、修理、または「散水栓から立水栓への改造」の場合、「水道局指定業者」ではなくても、技術と実績のある業者であれば依頼できることが多いです。
水道局指定業者は人件費が高額になりがち。このため業者選びの際には、他の資格や口コミ、実績、加入する保険なども多角的に考慮し、最低3社と相見積もりの上、最終判断することをおすすめします。
水回りの修理で優良業者を探すコツについては、記事「【水漏れ修理どこに頼む?】信頼できる業者を選ぶには」で詳しく解説しています。
監修者コメント「バルコニーに設置なら排水口も設けよう」
立水栓工事の発注から完了までの流れ
それでは、立水栓新設工事の発注から完了までの流れを見ていきましょう。
【立水栓新設工事の発注から完工までの流れ】
①電話やネットで相談
②業者が現場確認、見積もり、サイン
③水道管の分配工事
④立水栓と給水管の接続
⑤立水栓と排水管の接続(必要な場合)
⑥完工、立ち会い確認、支払い
1. 電話やネットで相談
まず、電話やネットで業者に相談しましょう。
弊社「家仲間コム」では、このページ内にあるオレンジのボタンをクリックして相談内容を書き込むと、お近くの業者さん複数社から、仮見積もりが届きます。この時点の相談と相見積もりは匿名でOK、料金は無料です。
立水栓新設工事の場合は「水道局指定業者」であるかを確認してください。
2. 業者が現場確認、見積り、サイン
相見積もりの結果、気に入った業者があれば、取引開始!業者さんがご自宅を訪問しますので、現場の状態を見てもらってください。本格的な見積もりができますので、内容に納得できればサインしましょう。
業者訪問前には「出張費」「見積費」がいくらかかるのかも確認。見積書は「基本料金」「作業料金」「部品代・材料費」「設備本体価格」のほか「早朝・深夜・休日割増料」「キャンセル料」「交通費・高速代・ガソリン代・駐車場代」などのオプション料金も必ずチェックし、不明点は全て潰しておくことが大切です。
一般的に水回りの工事では近年、悪質業者による高額請求が多発しています。万が一、被害にあわないためにも見積書は十分に目を通すことが肝心です。
なお、公益財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」には、見積書・図面などを郵送またはFAXで送付すると、相談員が無料でチェックの上、助言してくれるサービスがあります。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
3. 水道管の分配工事
業者さんが止水栓を閉めた後、水道の配管の延長など「分配工事」が始まります。
4. 立水栓と給水管の接続
水道管の分配工事後は、立水栓が給水管と接続され、お庭に立てられます。
5. 水栓パンと排水管の接続(必要な場合)
立水栓に水栓パン(水受け)を付ける場合は、水栓パンと排水管を接続。
6. 完工、立ち会い確認、支払い
最後に、止水栓をあけて水を出し、水漏れなどがないかを立ち会い確認して工事は完了です。
立水栓設置のメリット・デメリット
立水栓設置のメリット・デメリットをまとめると、次のようになります。
【メリット】
・蛇口が柱上部にあるため、立ったまま使える
・ガーデニング、洗車、ペット洗浄、手洗いなど用途に幅
・ホースの取り外しが容易。つけっぱなしも可
・デザインが豊富で、庭の洗練度アップにも役立つ
【デメリット】
・設置スペースが必要。
・新設には、水道管などの工事が必要で設置費が散水栓より割高
・屋外設備のため、他人に無断利用される恐れあり
・寒冷地では冬場に凍結する場合も
人気の立水栓3選
人気の立水栓3選を紹介します。デザイン性、機能性ともに魅力いっぱいの製品がリリースされていますよ!
1. 遊び心いっぱい!色鉛筆型
出典:デザイン水栓柱 いろえんぴつ|Only One club
価格:39,800円(税抜き)
「庭」というキャンパスに、自分だけの絵画を描いているような気分にもなれる遊び心いっぱいの立水栓。自宅や店舗のシンボルマークにもなってくれるかも。
2. 散水にも便利な蛇口回転式
出典:UNISON ガーデンシンク フィーノII|GADEAME
価格:78,840円
エレガントな2口水栓柱と花瓶にもなる水栓パンがセットになった立水栓。石鹸ホルダー付きなので、玄関前に設置すれば、帰宅前の手洗い習慣が身につきます。ホースの接続専用となっている下側の蛇口は360度回転式なので、ガーデニングや洗車もしやすそうですね。別売で、寒冷地での凍結を防ぐ水抜き栓もあります。
3. ペット洗浄に!シャワー付き混合水栓
出典:シャワー付混合水栓柱INAX LF 932SHK|LIXIL
価格:116,000円
屋外でもお湯やシャワーが使える多目的用途の立水栓。ペットのシャンプーや足洗いを想定した作りで、ハンドシャワーはペットの体に密着させても水流を維持できる理髪店向けを採用。水の盗難防止のための鍵付きなのも嬉しいですね。
監修者コメント「雨水の貯留タンクでエコライフを」
ガーデニングや家庭菜園をしていると、近くに水道があったら便利ですよね。でも、水道代は値上げの一途をたどっていますし、そもそも草木にあげる水なら上水道である必要もありません。
そこでぜひ、雨水を活用してみませんか?
家の屋根から流れ落ちる雨水は、通常雨どいを通って排水されています。この雨どいの途中に貯留タンクを設置すれば、溜まった雨水を利用することができます。
タンクの設置は比較的簡単にできますので、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
立水栓の工事費用相場
立水栓設置にかかる費用の内訳は、大まかに「立水栓本体価格」+「工事費(基本料金+作業料金+諸経費)」+「オプション代金」です。
立水栓本体価格は1万円台から10万円台まで様々。
工事費は、作業の難易度によって変わります。
立水栓新設の場合は「水道局指定業者」が自治体に届け出た上で給水管を新設、改造する必要があり、工事費は高額になりがち。相場は3万円~5万円です。
散水栓から立水栓に改造する場合は、給水管新設作業が省ける可能性があるため、工事費の相場は2万円~4万円。
ここからはオプションになりますが、お湯と水の両方が出る「混合水栓」の場合は、給湯設備の設置や改造も伴うため、それぞれの工事費に5万円ほど上乗せされるようです。
水栓パン(水受け)を排水管につなぐ場合はそれぞれの工事費にプラス2万円~4万円される覚悟が必要でしょう。
以上、立水栓の工事費は総額で5万円~15万円が相場となります。
※現場の状態や業者により変わります。別途、出張費、交通費などの諸経費がかかることもあります。
家仲間コムでの過去の見積もり
工事費のご参考までに、過去に家仲間コムに寄せられた見積もり事例をいくつか挙げてみます。
新築の立水栓工事
新築木造2階建て
立水栓セットの設置と排水工事をしてほしい。
価格相場:5.9万円~7.1万円
庭に立水栓の設置
木造二階建て、散水栓から離れた場所に立水栓を設置したい。
排水もきちんとしたい
価格相場:3.5万円~6万円
散水栓から立水栓への取り換え工事
築3年の木造2階建て、散水栓のある場所へ立水栓を取り付けたい
価格相場:3.5万円~6万円
「家仲間コム」での施工事例
「家仲間コム」登録の業者さんによる立水栓新設、交換工事の施工事例を紹介します。参考にされてください。
1. 戸建てのお庭に立水栓新設
施工業者 | 有限会社ムツミ設備/水winトラブル |
施工場所 | 宮城県仙台市泉区 |
建物のタイプ | 木造二階建て |
築年数 | 約3年 |
施工箇所 | 庭 |
施工価格 | 10万円 |
施工期間 | 半日 |
まとめ
今回は、立水栓工事の発注先が大まかに「リフォーム業者」と「水道の専門業者」の2種類であること。立水栓を新設する場合は「水道局指定業者」に依頼する必要があること。立水栓工事費の相場は5万円~15万円であることなどをお伝えしました。
立水栓がお庭に一つあるだけで、ガーデニング、洗車、BBQ、帰宅前の手洗いなどができ、生活の幅が広がります。
最近はペット洗浄に対応したシャワー付きやお湯が出る上、お庭のデザイン性もアップできる製品も開発されています。ぜひ、この機会に設置を検討してみてくださいね。
立水栓工事の相見積もりをしてみよう!
立水栓の工事業者の費用見積もりを依頼する際は、一括見積りが便利です。依頼内容を入力すると業者から連絡が来て、訪問見積りや電話見積もりをしてもらえます。業者によって独自のサービスや技術があるので、希望に合う業者を比較検討しましょう。
アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
編集長
田中 敦子 (たなか あつこ)
九州大学工学部卒業後、西日本新聞社に入社。記者として22年間、政治、経済、司法、軍事、文化、教育など、あらゆる分野の取材に従事する。旅と建築、インテリアが好きで、退社後は世界一周旅行に挑戦。アジア、欧米、中東、アフリカ各国の内装自慢のホテルや「サグラダファミリア」「トプカプ宮殿」などの一級建築物を取材し、撮影動画をYouTubeで2年間配信した。母親は宅地建物取引士、元インテリアコーディネーター。
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監修者:高橋 みちる(一級建築士)