実家のリノベーション3パターン|気になる贈与税はどれくらい?

実家のリノベーション3パターン|気になる贈与税はどれくらい?

実家のリノベーションを行う際、高齢の両親のみで住むのか、2世帯住宅か、子供世帯に譲ってリノベーションするのか、パターン別にリノベーションの注意点などを解説します。気になる贈与税の節税方法についても参考にしてください。まずはこの記事のポイントをまとめました。

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POINT この記事のポイント

・リノベーションは住居の機能や資産価値を高めたり家族構成などに合わせて行う改修
・誰が家に住むかによって必要な設備や間取りは異なる
・リノベーションには数百万円から1,000万円単位の費用がかかる場合も
・贈与税がかかることがあるため事前に対策をしておくと安心

実家のリノベーションはいつが最適?

お正月やお盆などで家族が集まった時には、実家の経年劣化が気になったり将来の家族の在り方を相談される方も多いでしょう。何年経ったらリノベーション、という明確な年数はなく、経年とライフスタイルの変化によってご家庭によってさまざまです。

リノベーション後に誰がその家に住むかによって、リノベーションの内容や注意点も変わってきます。

リノベーションとは?

「リノベーション」とは、住居の機能や資産価値を高めたり、家族構成やライフスタイルに合わせて行う改修のことを言います。工事が大規模になるケースがほとんどですので、居住中の場合は工事期間に仮の住居を用意する必要があります。

リフォームと似ていますが、リフォームは原状回復や不具合箇所の修繕がメインになります。

1. 実家のリノベーション|5つのタイミング

実家のリノベーションのタイミング

一般的に実家のリノベーションを検討されるタイミングには上記のようなきっかけが挙げられます。

2. 実家のリノベーション|3つのパターン

上記の5つのタイミングの中で、リノベーション後に実際に住む人によって分けると下記の3つになります。

1. 実家に住むのは高齢の親世帯
2. 親と子供の二世帯住宅
3. 実家に住むのは若い子世帯

誰がその家に住むのかによって、必要な設備や間取りが異なってきます。

監修者コメント
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ライフステージに合わせて家もバージョンアップしよう

新築から20年も経てば、子どもの独立やご両親の定年退職など、家族構成やライフスタイルも大きく変わっていることでしょう。もし空き部屋がただの物置になってしまっていたら、もったいないですよね。リノベーションによって、間取りや使い勝手を大きく一新することもできます。ぜひ親世帯、子世帯でご実家の今後について一緒に話し合い、有効活用の方法を考えられるといいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

住む人に合わせたリノベーションのポイント

「親世帯」「二世帯住宅」「子世帯」、それぞれに合わせたリノベーションを成功させるポイントを順番に解説します。

1. 高齢の親世帯に合わせたリノベーション

バリアフリーリフォーム「手すり」|TOTO画像提供:バリアフリーリフォーム「手すり」|TOTO


出典:バリアフリーリフォーム「手すり」|TOTO

高齢の親世帯のための実家リノベーションでは、身体的に負担のない住宅設備や間取り、将来的に介護などサポートが必要になった場合に備えたバリアフリーを中心に設計していきます。バリアフリー住宅は下記のような設備や間取りに注意をしてリノベーションしていきます。

手すりを設置する
段差をなくす
・階段の勾配を緩やかにする
・玄関ポーチはスロープにする
転倒しにくい床材にする
・扉は引き戸にしておく

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2. 二世帯住宅のためのリノベーション

実家を二世帯住宅にリノベーションする時のポイントは、親世帯と子世帯がどういう住み方を望んでいるのかを先に話し合って決めておくことです。二世帯住宅には下記の3つのタイプがありますが、家族間の良好な関係を築くためにもプライバシーを守る家づくりが重要です。

二世帯住宅のタイプ 内容
同居型 寝室のみを分ける
共用型 玄関・リビング・水周りなどを共用
完全分離型 同じ敷地内にあるが住居は世帯別に完全に分離する


上から下に順にリノベーション費用が高くなっていき、完全分離型が最も費用が高額になります。完全分離型の二世帯住宅以外は水廻りは共用ですが、二人以上が使えるようなキッチン空間やシステムキッチンのサイズを選ぶと使い勝手が良くなります。築年数が経過した住宅は水廻り設備の老朽化が目立つことが多く、リノベーションではすべて交換することがほとんどです。

関連記事:二世帯住宅のキッチンリフォームはどうする?3つのパターンと注意点

リノベーション箇所 費用目安
キッチン 20万円~
トイレ 13万円~
浴室 70万円~
洗面台 6万円~


上記費用目安は水廻り設備の下位モデル商品を採用した場合で、上位モデルになると価格がぐっと高くなります。業者さんによっては大幅な値引きをしてくれることもあるので、複数見積もりをとって比較検討するとお得にリノベーションができますよ。

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二世帯住宅にリノベーションして水廻り設備を共用する場合には、身体的に衰えが出始める親世帯が使いやすいものを選んでおきましょう。

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監修者コメント
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二世帯住宅は共用範囲がカギ

ご実家を二世帯住宅にできるなら、親も子もお互い近くに住めて安心ですし、子世帯は新規に住宅を取得するより費用を抑えられます。また、光熱費など折半できる必要経費も多くあり、経済的なメリットも多くあります。しかし二世帯が一緒に住むとなると、ライフスタイルの違いからストレスが生じることもあります。キッチン・お風呂・洗濯機・玄関など、どこまで共用にするかをしっかり話し合っておくのが、円満に暮らすカギとなるようです。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

3. 若い子世帯に合わせたリノベーション

システムキッチン「リシェルSI」|LIXIL
出典:システムキッチン「リシェルSI」|LIXIL

実家を子世帯が譲り受けるなどの理由でリノベーションを行う場合は、最新の住宅設備などを取り入れておくと長く住みやすい住宅を造ることができます。インターネットが必須の子世帯では、IoT住宅としてリノベーションしておくのもおすすめです。

関連記事:「IoT住宅」の未来はもうすぐ!IoTの基礎知識と導入に向けた建築プラン

実家のリノベーション費用を子世帯が負担する際の注意

実家のリノベーションには数百万円から1,000万円単位の費用がかかる場合があります。特に完全分離型二世帯住宅や子世帯が居住する場合は、リノベーションする箇所も増えるため高額になりやすいです。

贈与税がかかることがある

実家名義が親世帯の場合で、リノベーション費用を子世帯が110万円以上負担すると「贈与税」がかかります。贈与税対策としては下記の2つの方法があります。

・実家を親から子へ贈与してもらい子世帯に名義変更をする
・実家を親から購入して名義変更をする

具体的に利用できる節税の方法は下記の3つです。

節税の方法 贈与税
相続時精算課税 最大2,500万円の贈与分まで無税
特例贈与財産 (贈与財産の合計額-基礎控除110万円)×税率-控除額=贈与税
暦年贈与制度 年間110万円以内の贈与分は無税


特例税率の速算表などがあったり、素人では計算が難しいこともあるので、税理士さんも紹介してもらえるようなリノベーション業者に依頼すると安心です。

1. 相続時精算課税

「相続時精算課税」は、親がなくなって実家を相続する際の実家の評価額が2,500万円以下であれば贈与税がかからない制度のことを言います。

万が一相続時点での実家の評価額が2,500万円を超えてしまった場合には贈与税が発生しますので必ずしも節税効果が高いとは言い切れませんが、住み続けるうちに不動産の評価額が下がってくるのが一般的です。

2. 特例贈与財産

「特例贈与財産」は、両親・祖父母・祖祖父母から贈与を受ける場合に、贈与税率が低く優遇される制度です。

3. 暦年贈与制度

「暦年贈与制度」は、110万円までは贈与税がかからない制度を利用して、毎年110万円以内を複数年に分けて贈与する方法です。

実家のリノベーションまとめ

いつか訪れる実家の維持や売却に関わる問題は、家族が集まる時にしっかりと話し合っておく必要があります。近年、空き家問題が深刻になってきています。老朽化がかなり進んでしまってからのリノベーションは費用も高額になりますので、早いうちから計画を立てておきましょう。

思い入れのある実家は、できればリノベーションをして長く住み続けてあげたいですね。

関連記事:空き家のリノベーションを成功させて生きた家に生まれ変わらせよう!補助金活用やリノベーションのポイントを解説します

リノベーション費用をお得にするには?

一般的に、古くなった住宅のリノベーションをしようと思うと費用が高額になることが多いです。一括見積りでどんなリノベーションを希望するのかを伝えたら、実際に訪問してもらって見積もりを出してもらいましょう。

リノベーション費用を子世帯が負担する時には贈与税の問題も出てくるので、しっかりと資金計画を立てることがお得にリノベーションをするコツです。

家仲間コムの見積もりサイトには約1000社の登録業者さんがいて、リノベーションの経験が豊富だったり、税理士さんともつながりのある業者さんもいますので、できるだけ多くの見積もり依頼をしてよく話を聞いて比較してみましょう。


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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

【保有資格】

【所属】

noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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家仲間コム編集部

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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