空き家のリノベーションを成功させるには|補助金の活用方法を解説

空き家のリノベーションを成功させるには|補助金の活用方法を解説

劣化が進む空き家は所有者にとっても悩みの種であり、深刻な社会問題となっています。今回は、空き家問題解消に向けて空き家のリノベーションを成功させるポイントを解説します。補助金を活用しながら最低限必要なリノベーションを行うのがコツです。まずはこの記事のポイントをまとめました。

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POINT この記事のポイント

・2033年には3軒に1軒が空き家になると言われているほど空き家問題は深刻
・空き家のリノベーションには補助金を活用するのがおすすめ
・空き家の「住宅診断」で最低限手を加えなくてはならない箇所を確認する
・住宅診断にかかる費用は約10万円
・内装や住宅設備よりも「耐震補強工事」と「断熱リフォーム」のほうが重要

空き家問題は深刻

年々増え続ける空き家は、2033年には3軒に1軒が空き家になると言われており、深刻な社会問題になっています。こんなに空き家の数が増えてしまう未来の町は、ゴーストタウンのようになってしまうのではないでしょうか?

空き家が増えることでメリットになる面はほぼなく、むしろ犯罪・放火・倒壊などデメリットのほうが多くなります。さらに、空き家であっても所有者には固定資産税がかかってきますので、放置していて何も良いことはありません。

参照:2033年には3軒に1軒が空き家に…首都圏の売れない家は「過疎地と一緒」?|AERAdot.

監修者コメント
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空き家の有効活用を考えてみませんか?

空き家が自己所有であれば自由に売買できますが、他人名義のままで変更が難しい場合など、売却がままならないことも多くあります。だからといって放置していても、コストはかかる一方ですよね。もし賃貸に出すことができれば、家賃収入を得ることができます。家賃は現況のままで格安にしても、リノベーションをして高めに設定してもいいですね。賃貸は案外需要がありますので、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

空き家問題の解決策は?

空き家の増加は行政にとっても大きな課題です。空き家問題の解決策として、放置している空き家は税金を増やすよ!というパターンと、補助金を支給するので空き家の活用に活かしてね、というパターンの2つがあります。

1. 「特定空き家」として認定

空き家をどうすればいいかわからない所有者にとっては頭の痛い内容ですが、空き家を放置していると自治体が「特定空き家」として認定し、固定資産税が最大6倍になるという対策があります。税金が増えてしまうのなら空き家の活用をがんばろう!と思ってもらうための政策ですね。

参照:特定空家等に対する措置|国土交通省

2. 空き家の所有者に補助金を支給

各自治体は空き家問題の解決策として、リノベーションや売却がしやすいよういくつかの補助金を支給しています。補助金には大きくわけて次の4つがあります。

・空き家の除却に対する補助金
・空き家の改修に対する補助金
・空き家の取得に対する補助金
・店舗や集会所としての利用に対する補助金

自治体によって補助金の支給額に差がありますが、80万円~500万円程度支給されるところもあります。
また、空き家を含む既存住宅を所持している方や購入した方が、性能向上・三世代同居対応・子育て世帯向けのいずれかのリフォームを行った場合が対象となる長期優良住宅化リフォーム推進事業(交付申請締切:令和6年2月29日まで)
の補助金も利用できる可能性があります。金額としては補助対象リフォーム工事費等の合計の1/3の額、最大250万円補助されます。
また、必須工事箇所があったり、特定の性能を一定の基準までクリアしなければなかったり認定基準が細かいので、その点は注意が必要です。
最新のリフォーム補助金一覧を掲載している記事もございます。こちらも是非ご参考にされてみてください。
【2024年最新】リフォーム補助金の全て。実は火災保険が利用できるケースも

関連記事:空き家オーナーが知っておくべき3つの活用方法【補助金制度あり】

補助金の支給要件として「空き家バンク」に登録している物件が対象となっている場合が多いので、まだの方は早めに登録しておきましょう。

参照:空き家バンク

空き家の活用には100万円以上の大きな費用が必要になることもありますが、補助金をうまく活用してできるだけ早く空き家リノベーションに着手するのがおすすめです。人が住んでいない住宅の劣化は想像以上に早く、劣化するほどリノベーションの費用が高くなります。

空き家のリノベーションを成功させるポイント

空き家のリノベーションを成功させるポイント

ひとくちに空き家といっても、築年数や住まなくなってからの年数によって、空き家の状態にかなりの差が出てきます。空き家のリノベーションを成功させるには、まずは建築士や施工管理技術士といった有資格者による「住宅診断(ホームインスペクション)」を実施してもらうことです。

次に、住宅診断(ホームインスペクション)によって最低限手を加えなければいけない箇所を中心にリノベーションを行います。多くの住宅診断(ホームインスペクション)で、耐震性と断熱性の低さが指摘されています。

空き家をリノベーションする際は、内装や住宅設備よりも「耐震補強工事」と「断熱リフォーム」のほうが重要です。

1. 住宅診断(ホームインスペクション)の実施

「住宅診断(ホームインスペクション)」は住宅の現状を検査項目に従って確認していく作業で、アメリカの中古住宅では約70%も行われています。主に下記のような内容を検査していきます。

検査項目内容
構造耐力上の安全性に問題のある可能の高いもの蟻害、腐食、傾斜、躯体のひび割れ、欠損等
雨漏り・水漏れが発生している/発生する可能性が高いもの雨漏りや漏水等
設備配管に日常生活上支障のある劣化等給排水管の漏れ、詰まり等

一般的な中古物件では、買主が購入決定の判断材料にするために「住宅診断(ホームインスペクション)」をする場合も多いですが、もともと買手が見つかりにくい空き家の場合は売主側が実施しておくほうがおすすめです。

「住宅診断(ホームインスペクション)」済みの物件は空き家を購入したいという方の安心につながります。

1-1. 住宅診断(ホームインスペクション)にかかる費用

住宅診断(ホームインスペクション)は、目視による一時診断の場合は5万円~6万円程度が費用目安です。より詳細にチェックするために機材を使用する場合は10万円程度かかることがあります。

2. 1981年以前の建物は耐震補強が必要

空き家は築年数がかなり経過している物件も多いですが、1981年以前に建てられた住宅は旧耐震基準のため、リノベーションには耐震補強工事が必要になります。いつ建てられた住宅なのかを調べるには、その土地を管轄する法務局で登記簿謄本を確認します。

2-1. 耐震補強工事の費用目安

古い空き家の活用が進まない理由として、高額な耐震補強工事がネックになっているケースもあります。耐震補強工事にかかる費用は50万円~200万円が目安です。

築38年以上経過している空き家を活用するためには、耐震補強工事は必要不可欠です。補助金制度もありますので、自治体に条件等を確認して上手に活用しましょう。最低限の耐震補強工事で済ませるためにも、住宅診断(ホームインスペクション)が重要になってきます。

関連記事:耐震補強工事の詳細とかかる費用の価格相場をご紹介します

3. 断熱リフォーム

快適に過ごすことができる建物の条件として「断熱性」は重要です。古い空き家は断熱材も劣化しているので、断熱効果が低くなっています。

以前、古民家をリノベーションした宿泊施設に泊まったことがあるのですが、見た目はとても綺麗でしたが、エアコンと床暖房をフルパワーで稼働させても寒くて、とても快適とは言えませんでした。

どのような目的で空き家をリノベーションするにしても、断熱対策をしていない建物はエアコン効率も上がらずせっかくの暖房設備が効果を発揮できないので光熱費がかさみます。結露も発生しやすくなるので建物の内部が腐食し、劣化が早まります。

住宅診断(ホームインスペクション)を実施して断熱性の低かったところを中心に、最低限の断熱リフォームはしておきましょう。断熱リフォームの費用目安は、0.4万円~3万円/㎡ですが、こちらも補助金制度があります。売却の場合は、断熱リフォーム済み物件として価値があがる可能性もありますよ。

関連記事:民泊リフォームで重要なのは窓断熱です【実際の宿泊体験あり】

空き家のリノベーションを成功させるポイントまとめ

空き家のリノベーションには高額な費用がかかると思いがちですが、下記の3つのポイントを抑えることで費用を抑えつつリノベーションすることができます。

・住宅診断(ホームインスペクション)で、最低限手を加えなければいけない箇所を確認する
補助金を活用する
・内装や住宅設備よりも「耐震補強工事」と「断熱リフォーム」のほうが重要

上記のポイントを意識して空き家のリノベーションを進めてみてくださいね。

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プロに買い取ってもらう方法も

空き家をリノベーションした後に住む人が決まっていれば、完成も待ち遠しいですね。しかしピカピカになった家を売りに出すとなると、最悪の場合、売れないリスクも考えられます。いつ売れるかわからないのも不安ですし、想定外の値引きで赤字が出てしまうのも辛いですよね。そんな時は、空き家のまま不動産屋に買い取ってもらう方法なら安心です。買取り額は市場より安くはなりますが、リスクを回避できるのは安心ですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

【保有資格】

【所属】

noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

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