意外と知られていない耐震工事の方法|5つのパターンを徹底解析

意外と知られていない耐震工事の方法|5つのパターンを徹底解析

地震が多い国、日本だからこそ、発達した技術があります。それが建物の耐震設計技術です。しかし、今の鉄筋コンクリート設計でつくられている家とは違い、昔ながらの木造住宅には、耐震技術が備わっていないものが多くあります。そこで今回は、そんな耐震工事の実際の施行例や種類についてご紹介していきます。後ほど詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

匿名・無料の一括見積もり

POINT この記事のポイント

・一般的な耐震工事にかかる費用は、建物の基礎から見直す耐震工事の場合は、メートル当たり21,000円ほど、接合部を補強する耐震工事の場合は約130万円ほど、屋根の見直しによる耐震工事の場合は約160万円、壁の補強をする耐震工事の場合は約140万円ほどかかる
・自宅の耐震性に不安がある場合は、耐震シェルターの確保もおすすめ

建物の基礎から見直す耐震工事

耐震工事のパターン5つ

建物の部分的に気になる耐震構造の見直しをご紹介していきます。最初は建物の基礎から見ていきましょう。古い木造住宅などには、鉄筋を用いた技術が搭載されていないため、無筋状態となっています。無筋状態では、住宅は強度が弱く、耐震構造として優れているとは言えません。したがって、無筋の住宅には、まず基礎を見直す必要があります。

方法としては、基礎をコンクリートで補強することが必要となります。コンクリートで補強することで、強度がぐんと増します。また、建物の基礎がしっかりしていないと、土台と食い違うことで倒壊の恐れも出てきます。そこで、建物の基礎と土台をしっかりつなぎ合わせることが重要となります。

実際に基礎を補強する耐震工事を施した実例を見ていきましょう。

例1)A社で基礎補強工事を施した場合の費用
対象:昭和55年建築の建物
面積:建物100平方メートル
工事費:メートル当たり21,000

基礎補強するにあたり、基礎部分がひび割れている場合などは、別途工事が必要になるので、まずは業者に診断を頼むことが大事です。

接合部を補強する工事

古い木造建築の建物の場合、接合部に金属で補強されていない場合が多いです。その場合、揺れに建物が弱いので、補強が必要にあります。木造住宅は壁や梁が一体となって地震に耐えるようになっているため、その一つでもずれてしまうと、うまく軸としての力が伝わらなくなってしまいます。結果、接合部が抜けたりつぶれたりして、住宅の倒壊の原因ともなります。したがって、必要な部分をしっかり金具で補強してつなぎ合わせることが必要となってきます。

実際に、接合部を補強した耐震工事例を見てみましょう。

例2)B社で接合部を補強工事した場合
対象:築25年の住宅
工事内容:接合部の補強、1階、2階部分の耐力壁線の整備など
費用:約130万円

接合部を補強する際、使う金具はさまざまあるので、業者にきちんと説明を求め、聞くことが大事です。

屋根の見直しによる耐震工事

次に、屋根の材料についてです。一見関係が無いように感じられる屋根ですが、屋根の材料次第では、大変地震に弱いものがあります。それが、古い住宅でよく使われている土瓦の屋根です。土瓦や粘土でできたものは、今使われている瓦の物よりも重量があるので、地震の際に揺れに弱い性質を持っています。

重量がある屋根だと、住宅の重心が上部に来てしまうため、下部が安定しなく、揺れを感じると振り子のように揺れてしまい、屋根の重みに建物が耐え切れなくなり、建物が倒壊する恐れが出てきてしまうのです。したがって、現在は軽量の屋根材が使われることがほとんどです。軽量で丈夫なものもありますので、地震の際に二次被害も抑えられます。

実際に屋根材の見直しによる補強工事の例を見ていきましょう。

例3)C社で屋根材を交換し耐震工事を施した場合
対象:築16年
施工面積:約91平方メートル(木造二階建て住宅)
既存瓦:セメント瓦
工事内容:既存瓦撤去処分、下地補強、防水シート、板金工事、など
費用:約160万円

屋根の面積、使用する屋根材の種類によっても金額は左右されてきます。

壁の補強をする工事

耐震工事を考える際、最も大事だと言えるものがこの壁の補強です。細かい筋が入っていない壁などは、じつは壁として弱いので、地震に弱いです。他にも、開口部が多く壁の少ない面は自身に弱いとされています。したがって、そういった場合は新しく壁を増設したり、壁を補強する必要性があります。壁を補強する場合は方法は2つあります。耐震の壁を新しく増設するか、既存の梁や柱を補強することで、壁を耐震にするかです。

それでは実際に壁を補強した耐震工事例を見ていきましょう。

例4)D社で壁を補強工事した場合
対象:築36年(木造2階建て住宅)
工事内容:既存の壁の解体処分、接合部に金具の設置、構造用合板で押入れ内部を補強など
リフォーム施工期間:約14日
費用:約140万円

耐震用の壁といっても、さまざまな種類が存在します。採光性や通気性に優れているものや、工事内容によっても、低コストでできるだけ建物を壊さずに、日数も抑えて工事するところも多いようです。自分の要望に合ったところをきちんと調べて業者に連絡しましょう。

耐震シェルターを造る工事

後は、家屋が倒壊しても、一部屋だけ空間を確保することで、シェルターとしての役割を果たすための耐震構造のものもあります。その場合のシェルターとは、鉄筋や木材で強固な造りにした部屋のことをいいます。

住宅全体を耐震工事し、強固にできればそれでいいのですが、それには如何せん費用がかなり掛かりますし、工事日数もかなり掛かります。そういったコストなどの問題も踏まえたうえで、地震があったときに絶対に安心な一部屋を作るために耐震工事があるのです。

実際に耐震シェルターを作った耐震工事の例を見ていきましょう。

例5)E社で一部屋を耐震シェルターとして耐震工事した場合
対象:築22年(木造二階建て住宅)
工事内容:壁補強、洋室のリフォーム、寝室の耐震シェルター化
施工日数:約18日
費用:約130万円

耐震補強として、一室をシェルター化することで家屋倒壊の際圧死を防ぐことができます。市町村でシェルター化を推進しているところも多いです。詳しくは、お住まいの市町村のホームページを見てみてください。

まとめ

いかがでしたか?耐震工事と一概に言っても、さまざまな工事の方法があります。地震は待ってはくれないので、思い立ったら耐震工事を済ませたほうが安心感が違うかとは思います。長年住んでいる住宅だからこそ、これからも住めるように耐震工事、かんがえてみてはいかがでしょうか?ぜひ検討してみてください。

耐震工事をお得に行うには?

耐震工事を行っている業者を自分で探して、複数の業者に見積もりを依頼するのはなかなか大変です。

そこで便利なのが、リフォームのポータルサイト「家仲間コム」です。サイト上に耐震工事の概要を書き込むだけで、業者からの見積もりや提案が届きます。見積もり依頼は匿名で行えるのでしつこい営業の心配もありません。

耐震工事の見積もりを匿名で一括依頼してみる

利用は完全無料のため、ぜひご利用ください。

image

家仲間コムなら
業者の手数料が無料だから安くなるかも!/

一般的に業者さんがサイトに支払う成約手数料
(売上の約10〜20%)が家仲間コムではかかりません。

耐震工事の
業者さんを匿名で探してみる
編集責任者プロフィール
編集者画像

編集責任者

家仲間コム編集部

プロフィール


利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
編集者画像

大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

関連するテーマの見積もり依頼

※価格はこの依頼での一般的な価格相場です。